小林穂夏インタビュー『中に入ってもボコボコにできるし、外でもどこでも倒せる』
インタビュー 2023年11月10日
11月19日(日)に開催します『FIGHT CLUB』にて、オープンフィンガーグローブマッチで平岡 琴(TRY HARD GYM)と対戦する小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷)のインタビューをお届けします。
–FIGHT CLUBの試合が決まりましたが、決まった瞬間どんな心境でした?
小林 最初は不安がよぎったんですけど、あとはもうチャンスしかないなって。自分を変えるチャンスというか、もともと自分メンタルが弱いので、ここ受けて勝ってメンタルも身体も全て強くできるチャンスだと思いました。
–リング上に上がった小林選手見る限りメンタルが弱いようには見えないんですが、それはやっぱり覚悟が違うってことですか?
小林 計量の時とか当日とかはやってきたことしか出ないなって思うのですが、試合前は不安になることが多少あります。
–リングに上がったら練習で培ったものは100%出ますか?
小林 半分も出てないです。
–今回は100%出したいですか?
小林 100%以上、120%、130%出してしっかり勝ちたいです。
–YA-MAN選手がFIGHT CLUBの記者会見をやった後、すぐにSNSで呼応していましたけど、あれはもう高ぶる気持ちを抑えきれなかったんですか?
小林 去年デビューする前からオープンフィンガーあるって知った時に「1回はこれで人を殴ってみたいなー」って思ってたので、すぐ出しました。
–小林選手はキックだけじゃなくて空手もアマチュアボクシングもやってるじゃないですか。やっぱり他の女子の選手に比べてパンチの質というか、そこに関してはちょっと違う価値観を持ってると思うんですけど、どうですか?
小林 一応高校2年生からボクシングも始めて、その年は決勝で負けちゃいましたけど、全日本で2位を取ったし、3年生では関東も優勝したんで、普通のキックボクサーよりはちょっとできてるかな。
–今の公開練習を見てもなかなか女子キックボクサーでは見られないヘッドスリップとかを見せてもらいましたが、ディフェンス面も自信はある?
小林 基本的にあまり打たれずに、こっちが殴って倒すっていうのが心に置いていることなので、もうちゃんとディフェンスして目も良くしてという練習をしてます。
–打たせずに打つ。それはオープンフィンガグローブ(以下OFG)マッチでも変わりない?
小林 基本的には変わりないです。バカになりたくないので(笑)。殴られて怪我してもこっちが100倍で返したらいいなとは思うんですけど、基本的には貰わずに殴り合うのが一番いいなって思います。
–すでにOFGでの練習を始めてると思いますけど、通常のボクシンググローブと比べたらどうですか?
小林 完全に拳を感じれます。拳返したり、返さなかったり的確にできるやつですね。
–グローブの質からして、もうアンコの部分が全然違うと思うんですけど、当たった時のインパクトはどう違うんですか?
小林 「人逝くだろう」なみたいな。スカしちゃう時は全然ないですけど、しっかり当たった時に「これ人に当てたら粉砕しねぇ?」みたいな。
–もう対人のスパーリングもやってると思いますが、小林選手の練習相手はどうですか?
小林 練習相手はいつも愛三さんにお願いして殴り合ってもらったり、それこそジム生の(遠山)亜弥とか、登島優音ちゃんとかにも一緒にOFGつけてもらって殴ったり、最近グレイシャアさんとかも一緒にスパーしてもらってるので、レベルアップしてます。
–自信満々でリングに上がれますか?
小林 自信しかないです。
–対戦相手の平岡琴選手はいかがですか?
小林 そんなに何も感じないかな。ランキングが上でめっちゃ美味しい試合だなみたいな、そんな感じです。
–平岡選手はすでにOFGマッチのキャリアも2戦ありますけど、そこはどうですか?
小林 でも倒してないし。OFGでも倒せるぞ、OFGだからこそ面白い試合ができるぞっていうのを相手選手より先に自分がやります。
–今回他の試合は全て男子の試合になりますが、その辺は意識するところはありますか?
小林 超あります。女子1試合っていうことで女子しかできないこと、男子は殴り合って潰し合って面白い。でも女子はやっぱり倒せないことが多い、「倒せないから面白くない」じゃなくて「戦ってて面白い」。戦ってる姿を見て面白いって思ってもらえるような試合をします。
–女子キックの流れを変えるような試合をしたい?
小林 本当にそうですね。倒したらベストですけど、それじゃなくても高度な技術も含め最後倒すところまで見てほしいです。
–小林選手は身長145cmと低い方なのに戦ってる時は全然小さく見えないんですけど、それはやっぱり自信を持ってリング上がってるからですかね?
小林 正直自分がちっちゃいって思ってなくて。この間紅絹さんとお会いした時も「自分の方が大きいかな」と錯覚するぐらい自分をちっちゃいって思ってなくて(笑)。なので10cmは身長差に入らないです。
–平岡選手との身長差もちょうど10cmありますけど、そこはハンデにはならない?
小林 全くならないと思います。蹴ってきても殴ってきても対処します。
–10cm差だったら普通に中に入って戦える?
小林 中に入ってもボコボコにできるし、外でもどこでも倒せるます。
–もう作戦はどんどん立ててってるんですか?
小林 自分の中ではある程度は決まってるんですけど、あとは教えてくれてる方と「もうちょっとこうした方がいい」とか、自分の穴とかを2週間3週間で埋めます。
–今もちょうどバンテージしてますけど、通常のボクシンググローブの時とバンテージはちょっと違うんですか?
小林 違いますね。まずアンコを大きくしすぎるとOFG入らないので、手首をしっかり固めて折れないように。あと親指も当たっちゃうので、そこだけ強化して代表に巻いてもらってます。
–バンテージを巻くだけでもいつもと感覚は違いますか?
小林 バンテージ巻くとやっぱ気合いも入りますし、不安がないので。
–先輩の小林愛三選手は穂夏選手がOFGやるのは合ってると言ってました。
小林 自分的には愛三さんも合ってるよって言いたいんですけど(笑)。合ってるって思ってもらえるような試合したいです。
–NEXT LEVEL渋谷の選手としては初めてですよね。
小林 最初はまだ技術もないし、5戦目ってことで成田代表とグレイシャアさんにはやめた方がいいんじゃないかと。自分の技術も相まってないし、やられるかもしれないって言われたんですけど、前回の試合でドローだった時に正直辞めたいって思っちゃって、落ち込んでる時にこのオファーをもらって、これは本当に自分を変えるチャンスだって。
–今回このOFGマッチをやるってことで周囲の反響はどんな感じですか?
小林 まだあまり人に言えてない状況なんですけど、お父さんに言ったら泣いてました(笑)。
–今まで空手とかボクシングも含めて顔かなりやっちゃった事ってありますか?
小林 ないです。貰わないっていうのが自分の根底にあるので、顔面ボッコボコみたいなのはなったことないです。
–眼窩底骨折とかも全然ない?
小林 眼窩底なんてないですね。
–今回どんな試合をイメージしますか?
小林 綺麗に戦って倒す。ぐちゃぐちゃと言っても綺麗にみたいな。振り回すだけじゃなくて、的確な技術を持って倒したいです。
–自信満々ですね。
小林 もう楽しみで楽しみで自信しかないです。
–足を使ってその場には一瞬たりとも立ち止まっていないような試合になりますか?
小林 3分3R、目閉じたら失神してるような試合にしたいです。
–何ラウンドぐらいに注目したらいいですか?
小林 3ぐらいですかね。1、2で削って削って心折って、最後しばきます。
–今回入場テーマ曲初めてかけるんですか?
小林 そうなんです、初めて入場曲使います。
–もう決めてますか?
小林 ディズニーの「新しい未来へ」っていう、仲間と戦っていくみたいな、ディズニーのプリンセスたちの物語をギャッとしたやつが私のテーマソングになります。
–今それが一番のお気に入りの曲なんですね。
小林 もうお気に入りもお気に入りです。毎日聞いてます。
–それを聞いて気持ちが乗った上で戦う?
小林 これ聞いて試合に勝ってディズニー行きます。