田丸辰インタビュー 『色々と裏をかいてくるだろうと思うけど、余裕で志朗選手の考えていることを超えていける自信がある』
インタビュー 2024年9月4日
9月8日(日)に行われる「RUF presents RISE WORLD SERIES2024 YOKOHAMA」に出場する田丸辰選手の公開練習とインタビューを執り行いました。
RISE世界バンタム級タイトルマッチに向けて現在の心境や意気込みを語ります。
–もうすでに顔がすっきりしている感じがありますね。
田丸 やっぱり減量に入ると痩せてきますね。普段が不摂生しているので。
–結構極端なんですね。
田丸 そうですね。メリハリをもってやっています。
–55kgの自分はどうですか?何回か試合はやっていますが53kgの時と比べて減量とかはどうですか?
田丸 普段よりすごい気を付けて摂生している感じはないので、良くとらえると減量を気にせずに動けているっていうのもあります。悪く言うと減量がない分飢えている感じがないので、そこのメリハリがつけづらいなというのはありました。
–飢えている自分になりたいですか?
田丸 それはもう減量が後半になってくるにつれて勝手にそうなってくるので、そんなに気にしてはないです。
–通常の田丸辰と飢えたときの田丸辰ではやはり違うものですか?
田丸 その分疲れとかも溜まってきますけど、練習の集中時間だったり、練習中のキレとか殺気は、減量しているのとしていないのでは変わってきます。
–これから食べるものも徐々に減量食へと変えていきますか?
田丸 減量に入ってからはそんなに変わらないですけど、量とかはちょっとずつ減ってくるかなって感じですね。
–もう既に志朗選手に勝ったらこれを食べようとかあれをしようとか、いろいろ考えている時期ですか?
田丸 まだそこまでではないですけど、試合が終わったら次どこ行こうかなとかちょっと考えてはいますね。
–8月下旬までの話になりますけど、2024年の田丸辰というのはご自分でどのように分析していますか?
田丸 一回ノーコンテストがあったので、去年自分が想像している以上にうまく行き過ぎたっていうのもあるんですけど、去年を超えるくらいの勢いで今年は行きたいなと思っていました。まだそこまではいけていないので、9月の試合でどうなるかって感じですね。
–では、今回の横浜決戦から猛チャージを仕掛ける感じになりますかね?
田丸 そうですね。今回の試合でしっかり白黒つけば、RISEの軽量級で本当に1番強いって周りへの証明にもなると思うので、今回の試合は一区切りになるのかなと思います。
–既に対志朗のイメージはバッチリついていますか?
田丸 毎回そうなんですけど、試合が決まった時から勝てるって自信はあって、それをこの追い込み期間とか対策で自信を確信に変えていく作業をしているので、もうすぐで確信に変わるかなというのはありますね。
–今確信はパーセンテージで言うと何パーセントくらいまで固まってきていますか?
田丸 現段階で70~80パーセントくらいにはなっています。自信は試合が決まっているときには120パーセントあるんですけど、そんな感じです。
–ファンの中にはやはり、今回の試合は「テクニカルでお互いに裏の裏までをかきあうような攻防が続くのではないか」という予想もありますが、そこについてはいかがですか?
田丸 志朗選手が僕の裏をかいてくるだろうと思っているんですけど、余裕で志朗選手の考えていることを超えていける自信があるので、それほど展開が変わるってことはないんじゃないかなと思っています。
–志朗選手の中の田丸辰を遥かに超える田丸辰が現れるってことですかね?
田丸 そうなります。
–ヒントとして横浜にはどんな田丸辰が現れますか?
田丸 志朗でも何もできないっていうのをみんなに見せつけたいなっていう。だから焦っている志朗選手が見れるんじゃないかな?逆に僕はそんなに今までと変えてっていうのはなくて、今まで通りの自分を見せるだけだと思っています。志朗選手が焦っていたり上手くいかない姿ってあまり見ることがないのでそういう姿を見せます。
–いつもポーカーフェイスの志朗選手が初めてパニックになるような感じですか?
田丸 そうですね。5ラウンドなので、特にラウンドを重ねるごとに差が開いてきたりするので序盤から自分のペースで試合を終わらせます。
–現時点では何ラウンドくらいがキーポイントだと思いますか?
田丸 前回の試合では1ラウンド目がカギになるかなと言っていましたけど、向こうが変わっていなければ今回も同じで1ラウンド目に前回と同じような感覚で、勝敗が決まります。
–山梨合宿があったと思いますが、その期間はどれくらいでしたか?
田丸 走ったのは2日間くらいですね。
–キツい合宿でしたか?
田丸 大橋ボクシングジムの八重樫さんにメニューを考えてもらって、普段ボクサーが走っているようなメニューで走ったんですけどめちゃくちゃきつかったです。
–どのくらい走ったかわからないですけど、表現するとしたらどのようなきつさでしたか?
田丸 走った次の日はみんな歩けなかったです。そのあと台風になってしまったので、最終日は走らなくてよくてラッキーでした。走って帰ってきて、その日は休んで、次の日でもまともに練習できないくらいに追い込みました。
–追い込みとか練習とか普段からやってきている人でもそうなるってことですね。
田丸 走りに関して言えば人生で1番きつかったです。
–走りと他にはどんなことをやりましたか?
田丸 初日は午前中TRY HARD GYMで、そこから移動して、2日目は1日中走り込みだけでした。普通に脱水症状や熱中症になった人もいましたし、走っている途中に吐いちゃったりする人もいました。身体的にもメンタル的な部分でもすごく鍛えられたトレーニングでした。
–そこまでの追い込みをするのは久しぶりでしたか?
田丸 もともとそんなに走るタイプではないので、走りでそこまで追い込むのは初めてかもしれないです。
–ということはスタミナが今回ついている感じですか?
田丸 走るスタミナとキックボクシングのスタミナってちょっと違うので、そこは大きくどれだけ変わっているのかは自分ではわからないですが、疲れたときやもう一歩前に出たいときに出る力はつきました。
–合宿中、追い込みをしているときは、乗り越えるためにどんなことを考えていましたか?
田丸 最初からメニューが決まっていて、それをやり切ろうと思っていました。
–志朗選手のことは一切頭になかったですか?
田丸 何も考えてないです。
–あと関係ないかもしれないですけど、オリンピックは見たり気にしたりしましたか?
田丸 そんなに見てはいないですけど、一応SNSで話は入ってくるので。格闘技も世界的に注目が集まるようになってほしいです。
–そうやって自分たちも注目を集めていきたいですね。
田丸 それを引っ張っていく1人にならないといけないなと感じます。
–対戦相手のことは会見で色々話されているので今更感もありますが、下からの追い上げについてはいかがでしょうか。花岡選手と長谷川選手の試合は結構騒がれていますが、田丸選手はどう思っていますか?
田丸 10代とか20代ですごくレベルが高くて強い選手だなって思います。でも自分も15,6の頃から今の僕くらいの年代の人達にくらいついて勝っていたので、強い選手は何才だろうと強いし若いからって油断とかはなく一選手として見ています。
–そのうちもしかしたら対戦があるのかなという気持ちで見ていますか?
田丸 全然あると思います。僕もそうだったのでチャンピオンクラスとやりたいって10代の頃から思っていて、鈴木選手の試合とかもそうですけど、そういう選手がどんどん出てくるのがRISEなので、自分も足元すくわれないようにとは思っています。
–ひょっとしたら胸を貸すこともあるかもしれないと?
田丸 胸を貸すっていう気持ちは正直ないですけど、まあ自分を倒してくれるんだったらこっちも全力で潰すことだけを考えます。
–今はまだそこまでは考えられないですよね。
田丸 僕も一応まだ20代前半なので、それこそ志朗選手とかもそうですけど、今まで自分が減量とかやっていた時に引っ張っていた選手を引きずり下ろしていきたいです。
–自分たちの時代にしたいって感じですか?
田丸 まずは僕が引っ張っていかなければと思っています。
–前回の試合はノーコンテストになってしまいましたが、今回の試合はご自身の中ではどういう位置づけですか?けじめをつけるとかそういう感じですか?メラメラした気持ちとかってどうなのかなって思っているのですが。
田丸 自分の中でノーコンテストになってしまってまず1番は、「俺のほうが強かったでしょ」って見せつけたかったですけど、誰もが納得できない形で終わってしまったので、そこのもやもやは払拭させたいですね。2番目は、軽量級の中で本当に強いって言われている志朗選手にしっかり圧倒的な差で勝って、「今のRISEの軽量級では田丸が一番だな」って一択だけにしたいでです。
–最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
田丸 いつも応援してくださっている皆様ありがとうございます。9月8日、志朗選手との完全決着で僕が圧倒的な差を見せつけて勝って、RISEを引っ張っていこうと思っているので応援よろしくお願いします。期待していてください。