【RISE184】伊藤隆代表の見どころインタビュー(聞き手:中村拓己)

インタビュー 2024年12月10日

2024年12月15日(日)東京・後楽園ホールにて開催されます「RISE184」につきまして伊藤代表の見所インタビュー(聞き手:中村拓己さん)を公開しましたのでお知らせします

伊藤『前半で政所が前回同様に倒し切る可能性もあるし、後半まで行ったら花岡が勝つ』

中村『タイトル以外の争い“次に誰が出てくるか”という所がポイントですね』

 

中村 今回は12月15日に行われる後楽園大会の見どころについてお伺いしていきます。

伊藤 よろしくお願いします。

 

中村 今回は2つのタイトルマッチがあって、まず1つはスーパーフライ級の王座決定戦、政所選手と花岡選手の試合があります。この2人はこれまでに2回対戦していて1勝1敗という事ですが、伊藤さんはこの2人の試合を見た時の印象や感想はありますか?

伊藤 最初に戦った時が、花岡がダウンを奪って勝っていて、2回目はトーナメントで政所がフックでKO勝ちをしているんですけど、相性はめちゃめちゃ良いですよね。その2試合とも本当に良い試合でした。これが最終決戦、3度目の決着で王座決定戦という流れになりました。

 

中村 シチュエーションとしては最高ですね。

伊藤 両者にとって最高のシチュエーションだと思います。

 

中村 この2人は噛み合うタイプなんですか?

伊藤 お互いが自分から行く選手ですし技術もかなりのハイレベルなので、その部分で非常に噛み合うというか相性が良いですね。

 

中村 スーパーフライ級もすごく選手が多く激戦区だと思います。この2人が王座決定戦まで上がってきたという所では、それぞれの強みってどんなところに感じますか?

伊藤 花岡に関してはRISEに出てくる時から地力があったんですけど、ルールにアジャストするのが難しくて、ここ最近で良くなりましたよね。政所はずっとやってきている選手なんですけど、浮き沈みが激しい選手だったんですよ。元々は物凄く才能がある子なんですけど、モチベーションの浮き沈みが激しくて、トーナメントで優勝したぐらいから非常に良くなりましたね。前回の大﨑一貴とのタイトルマッチも敗者とはなりましたが、勝者として讃えても良いような内容だったと思います。与えたダメージのせいで試合後のバックステージでは一貴が歩けなかったくらいですからね。カーフが効いた素ぶりを見せない一貴もすごいですけど、そこまでダメージを与えた政所も素晴らしかったです。本当にビッグマッチのメインにして良かったなと思います。

 

中村 政所選手にとっても、成長に繋がる経験を積むことができましたね。

伊藤 非常に大きい収穫だと思います。

 

中村 花岡選手はRISEに参戦した時から実績や実力を持った選手でしたけど、ファイトスタイル的な部分ではどういった部分に1番強さを感じますか?

伊藤 政所と比べて蹴りでも膝でもパンチでも、全体的にいろんな攻撃ができますよね。特にコンビネーションが素晴らしいです。元々フライ級から上がってきた部分もあるので、スピードもありますし攻撃が多彩っていうところですかね。

中村 橋本道場繋がりで行くと、安本選手がベルトを獲って久々にRISEのベルトが橋本道場に渡ったという所では、ジムとしてもノっているというか良い雰囲気かなと思います。そういう仲間がベルトを獲るっていうのは良い刺激になりますか?

伊藤 安本も2年苦労して獲って、花岡も参戦して初めての王座決定戦という形なので良い刺激になっていると思います。この両者はキックのタイトルをたくさん持っているんですけど、なかなかタイトルに絡めなかった部分もあって、その中でこの間の試合で安本が勝って、セコンドとして目の前で見ているので、刺激というか勢いがあると思います。

 

中村 安本選手もそうですけど、花岡選手もテクニックがあって器用なので、やっていくうちにRISEのスタイルに慣れてきているように感じますか?

伊藤 まだ20歳、21歳ぐらいだし非常に理解力があって何でもできる選手なので、どんどんスタイルを変えているというか、それを試合で見えるというのは成長しているのが分かるので私としても嬉しいですね。

 

中村 今回は王座決定戦という事と無制限延長ラウンドなので、今までの2戦とは違ってくる部分があると思うんですけど、今回の試合はどういったところが試合のポイントになってくると思いますか?

伊藤 これは本当に予想がつかないですよね。政所も急成長していますし、花岡も良いし。だけど、どちらも5ラウンドの試合はよくやっているんですけど、経験している数で言ったら花岡の方が多いかもしれないです。判定が読めないんですけど、もしかしたら前半で政所が前回同様に倒し切る可能性もありますよね。

 

中村 前回が1ラウンドKOだったんですよね。

伊藤 そうです。5ラウンドまでに決着をつけちゃう可能性があると思います。逆に後半に行ったら花岡かなと思います。

 

中村 序盤の展開と流れでどうなってくるか読めない1試合になりそうですね。

伊藤 政所がいつも通りにいけるかですよね。

中村 いろんな試合がある中で、2人がライバルとして勝ち上がってきて、またベルトをかけて戦うというのは見ている側が感情移入できるシチュエーションですよね。

伊藤 単純に嬉しいですね。頑張ってきた2人がこうやって王座決定戦という所で3度目の決着というか、それが非常に感慨深いというか、縁なのかなと思います。

 

中村 そしてもう1つのタイトルマッチが女子のフライ級、テッサ選手に小林愛理奈選手が挑む試合です。この階級ではテッサ選手がトップだと思うのですが、ズバリどんな試合になると予想されていますか?

伊藤 テッサはやっぱり強いですから、全体的にフィジカルもそうですし、蹴りやパンチのトータルバランスが優れていますよね。52kgがベストで節制もしているので、女性とは思えないしっかりした体つきもしています。愛理奈にとって、今までで1番の最強の相手だと思います。「52kgでも体重は関係ない」って本人も言っているんですけど、愛理奈は自分のパンチがどこまで通用するのか挑戦になりますね。ただ、今回この無制限延長ラウンドっていうのがキーポイントになると思います。

 

中村 やはり試合が進むと体力的な差も出てきますかね。

伊藤 そうですね。特に小林愛理奈は攻撃に“捨て”がないんですよね。当てれば倒れるんですけど、それを5ラウンド続けられるかがキーポイントだと思います。足で効かせるとかの捨て攻撃があると、もうちょっとパンチも当たるんですけど、相手がガードしている上からでも全力で打ったら体力が消耗していくので、そこら辺がキーポイントじゃないですかね。

 

中村 例えば前回の52kgでやった時の試合を見ても、その辺りが倒しきれなかった要因になるんですかね。

伊藤 そうですね。だから緩急がないと倒せないんですよ。全力で打っているだけだと耐えられちゃうので。それでローとかボディとかを攻めたり、こっちに意識を向けさせて上を打つとか、そういう部分を変えると彼女の良さが光るのかなと思います。

 

中村 やっぱり下の階級だったら多少強引にいっても倒せた所が、上の階級だと難しくなるんですね。

伊藤 下の階級だったら体重差がないので、そこは彼女がパンチ力でガードの上から吹っ飛ばせると思うんですよね。

 

中村 階級の壁というのも、普通の人ができない事をやってほしいっていう期待感もありますよね。

伊藤 面白い選手なので、その壁は乗り越えてほしいですね。

 

中村 テッサというチャンピオンの存在は、RISEにおいてどんな存在だと思いますか?

伊藤 ヨーロッパでは勝った負けたは結構あるんですけど、RISEにおいては52kgの不動の王者かなと思います。愛理奈が挑戦して結果は別として、もし守ったとしたらまた次の選手が出てくるし。じゃあもし愛理奈が負けた場合、愛理奈の次に勝てる選手は誰がいるんだという部分もあります。RISE愛の強い選手でもあるので、勝った時には今後どのようなストーリーを作っていくか楽しみですよね。

 

中村 女子の試合という部分では、アトム級チャンピオンの宮﨑小雪選手がタン・スアン・ユン選手と対戦しますけど、このタン選手はどのような選手ですか?

伊藤 完全にムエタイですよね。ムエタイスタイルでWBCムエタイのインターナショナルチャンピオンだったり、世界ランキングに入っていたり、あとはRWSなどで主に戦っていて、ムエタイが上手い選手です。

 

中村 宮﨑選手もこれまで沢山の、ムエタイ選手と戦ってきてますけど、このタイミングでムエタイスタイルの選手と戦うという事に、どんな事を期待していますか?

伊藤 『宮﨑小雪、世界に向けての第2戦目』なので、それは世界に相応しい戦い方をしなければいけないと思います。このタンも非常に強い選手ですけど、ファイター的には2人とも似ているんですよね。本人に言うと、この間の会見ではちょっと怒ってましたけど、だからこそ圧倒的な差をつけて勝つか倒すかというのは小雪には要求されると思います。強いだけではなくて求心力もつけなきゃいけないので、それをキャラでというタイプよりかは彼女は試合で見せくるタイプなので、そういうのをどんどんやっていってもらいたいですね。

 

中村 そう言った意味では、タイトルマッチではないですけどチャンピオンも2人出て宮﨑選手も出るという中で、宮﨑選手としては存在感とか、この試合が1番面白かったと思わせるような試合を見せないといけないですね。

伊藤 特に愛理奈と小雪は内容勝負だと思います。「内容はどっちが良かったか」っていうのは比べられると思うんですよ。僕もそういうのを見ていくので、そこは試合内容でお互い勝負してほしいです。

中村 ちなみにですが、宮﨑選手と愛理奈選手がもう一度対戦する可能性はありますか?

伊藤 僕は試合を組みたいなって思っています。体重はいつでも合うような状況なので、ファンが望むような「このカードをやったら面白いんじゃないかな」って期待度が出てきたらやりたいですね。

 

中村 今大会は女子の試合も多くて、アトム級で平岡琴vs奥村琉奈と世愛vs島田知佳の試合が組まれています。女子のくくりという所でも注目されると思いますが、この2試合についてはいかがでしょうか?

伊藤 平岡はずっとやってきている選手ですけど、奥村は若くて勢いのある選手ですね。島田も先日、衝撃的なデビューをして、近い将来上にあがってきていると思います。なのでこの勝者同士が将来的に戦うんじゃないですかね。島田は特に完成度が高くてこの階級の割にはパワーもあるし、上に行くと思います。

 

中村 あとはフライ級の試合も全部で3試合組まれていますけど、この階級は前回のRISE183でタイトルマッチを行った階級です。ここに繋がってくるかと思うのですが、このフライ級の3試合をどのように見ていますか?

伊藤 松本天志に関しては麗也を相手にどこまでできるかですよね。今までKOで勝ってますけど、麗也って非常にディフェンスが上手いし技術もあるので、その選手に対して松本天志がどこまでできるかというところを見たいですね。末國龍汰vsKING陸斗ですけど、末國はまだまだ本調子ではないので、もしかしたら陸斗が喰っちゃう可能性もあると思います。ここはどれだけ末国が戻っているのかを見たいですね。

 

中村 タイトル以外の争いというか、“次に誰が出てくるか”という所がポイントですね。

伊藤 そうですね。

 

中村 あとは個人的にかずややねんけど選手が気になりますね(笑)。Breaking Downに出てた選手ですよね?

伊藤 ですよね。

 

中村 こういう選手が出てくるのもRISEの面白さですよね。

伊藤 面白いですよね。僕も気づいたら決まっていたんですけどね(笑)

 

中村 そうだったんですね(笑)

伊藤 でもライトヘビー級で、この階級では南原健太が一強という状態なので、2,3勝したらすぐタイトルマッチに行けると思うので頑張ってもらいたいです。ヘビー級らしい試合をしてもらいたいです。ライトヘビー級なのに判定とかはないですよね。KO決着しか希望していないです。

 

中村 本格派なカードがある中で「おっ」と思わせるカードがあるのも良いですね(笑)

伊藤 リングネームが凄いですよね。リングアナが読むのが大変ですよ。噛んじゃいます(笑)

 

中村 僕も文章がリングネームになっている選手は初めてです(笑)

伊藤 12月もチケットの反響がすごく良いので、ほぼ満員になると思います。そうすると今年は5回満員にできたという形になります。最後の後楽園の締めの大会になるんですけど、カード的に後楽園ではもったいないカードかなと思います。

中村 僕も今お話ししていて、幕張大会でやってもいいようなカードが沢山ありますよね。

伊藤 そうなんですよ。年内の後楽園での最終大会ということで、RISEからのプレゼントみたいな感じです。政所vs花岡かテッサvs愛理奈の試合を、どっちをメインにするか決めれていないんですよ。理屈でいけばテッサvs愛理奈なんですけど、内容やストーリーを見ると政所vs花岡なのかなとも思うんです。当日くじ引きでもいいのかな?なんて思っちゃいますよね(笑)

 

中村 贅沢な悩みだとは思うんですけど、そこは伊藤さん考えてください(笑)。

伊藤 どっちをメインにするか考えます。

 

中村 今回もありがとうございました。

伊藤 ありがとうございました。

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