【RISE187】中村拓己さんの見所コラム「鈴木真彦の再浮上か? 大森隆之介の下克上か? 春のサバイバルウォーズ開戦」
大会情報 2025年4月17日
4月19日(土)東京・後楽園ホールにて開催します『RISE187』の見どころコラム(文:中村拓己さん)を公開します。何卒お取り計らいのほど宜しくお願いいたします。
RISE年間最大のビッグマッチ「RISE ELDORADO 2025」の激闘から約1カ月、早くも聖地・後楽園ホールでの闘い=RISE187が迫ってきた。ELDORADOはRISEのオールスター戦と言っても過言ではないラインナップが揃っていたが、今大会ではビッグマッチで組まれてもおかしくないような試合が組まれている。前RISEバンタム級王者・鈴木真彦vsRISEバンタム級3位・大森隆之介の一戦だ。
鈴木は第7代RISEバンタム級王者として時代を築き、2022年6月のTHE MATCH 2022では火付け役となる第一試合を務め、K-1・金子晃大との王者対決にも勝利した。しかし同年12月のRISE両国大会で志朗に敗れると、翌2023年3月にK-1・玖村将史に敗れて連敗。12月には大﨑孔稀に敗れて王座陥落となり、2024年3月の金子とのリマッチでも涙を飲んだ。どん底を味わった鈴木だが、自らのチームを結成して心機一転、12月のRISE幕張大会でジェイミー・ゲイマンとの国際戦を制して、今回の試合を迎えた。
対戦相手の大森は鈴木が不調にあえいでいる間に一気に頭角を表してきたファイターだ。2024年3月のRISE東京体育館大会で、当時プロ無敗だったシュートボクシング王者の山田虎矢太をバックブローでマットに沈めると、その勢いに乗って8月には大﨑の持つベルトに挑戦。持ち前の変幻自在のファイトスタイルで大﨑を苦しめた。今年1月にはフェザー級にチャレンジし、平野凌我に判定勝ちするなど、バンタム級とフェザー級を股にかけて暴れ回っている。
大森にとって鈴木は以前から狙っていた獲物。カード発表記者会見では「鈴木選手はベルトを失ってもRISEを代表する選手。でも”いつまで王者ぶってんねん”というのがあるので、今回勝って上からものを言わせてもらう」と言い放つ。
一方、大森を迎え撃つ側の鈴木も「この試合が決まって、僕の中で色々な感情はある。それも全て試合で見せて叩き潰してやろうと思う。自分は最短距離でベルトまでいく」と元王者として格の違いを見せるつもりだ。
今大会では鈴木VS大森以外にも、伊東龍也VS良星・京谷祐希VS翼のバンタム級ランカー対決が組まれており、伊東が鈴木VS大森の会見に乱入し「俺が鈴木真彦と戦いたかった」と対戦要求するなど、バンタム級の戦いが一つの軸になっている。
バンタム級は王者・大﨑が6連勝中と圧倒的な強さを見せ、さらにその上には志朗が世界王者として君臨。鈴木が再浮上できるかどうかも含めて、誰が志朗・大﨑の間に割って入るかがバンタム級のテーマでもある。
鈴木は大森の「いつまで王者ぶってんねん」発言に対して「そう言うからには気持ちのこもった試合を見せろ、半端な気持ちで言ってくるなよと思う」とRISEを引っ張ってきた一人としての矜持を言葉にしているが、それは他の選手にも向けられたものであり、鈴木自身の「俺は魂のこもった試合をする」という覚悟の現れとも言えるだろう。
また大森が鈴木戦を「僕は普通に勝てると思っているので(鈴木にとって)ある意味、残酷な結果になる」と表現したように、バンタム級以外にも元フェザー級王者の梅井泰成と新天地チームバシレウスから再出発となる有井渚海の一戦、共に再起を図る伊藤澄哉と石田迅のスーパーライト級戦、連敗脱出に燃える北井智大と連勝中の奥山雅仁のライト級戦など、残酷な結果が出る試合が続く。
しかし過酷な生存競争を勝ち抜き、魂のこもった試合でファンを魅了する選手こそ、”ガチ”なRISEに相応しい。春のサバイバルウォーズを生き残るのは誰だ?