松本天志インタビュー「プレッシャーをかけてしっかり削ってメンタルを壊しにいきたい」

インタビュー 2025年10月31日

2025年11月2日(日)東京・両国国技館にて開催する「RISE WORLD SERIES 2025 FINAL」に出場する松本天志選手のインタビューを執り行いましたのでお知らせします。

□松本天志インタビュー「プレッシャーをかけてしっかり削ってメンタルを壊しにいきたい」

–先日にタイへ練習に行かれてましたよね?

松本 PKセンチャイジムに行きました。

 

–タイではどんな練習をしていましたか?

松本 向こうではミット打ちとサンドバックと対人練習がメインでした。午前中はランニングやダッシュ系のトレーニングだったり、ラダーやジャンプの瞬発系のトレーニングをしていて、午後からはミットなどバンテージを付けてやるっていうのが多かったですね。

 

–練習場所としてタイを選んだ事には何か理由があるんですか?

本 特に理由はないんですけど試合期間も結構空いていたので、人としても成長したくて1人で武者修行みたいなのに行こうかなと思ってタイに行きました。

 

–どれくらいの期間行っていたんですか?

松本 3週間行っていました。

 

–結構行かれていたんですね。PKセンチャイジムの宿泊施設みたいな所で寝泊まりしていたんですか?

松本 PKセンチャイジムの寮で寝泊まりしていました。

 

–ちゃんと練習生のような生活をしていたんですね。

松本 そうですね。毎日すぐ寝て、タイ人は朝が早いので5時過ぎには起きて、練習して昼寝してまた練習みたいな生活を送っていました。

 

–格闘技漬けの毎日だったんですね。

松本 遊ぶ暇なんて一つもありませんでした笑。

 

–食べ物とかタイでの生活はいかがでしたか?

松本 辛いものが苦手なんですけど、ずっと「ノンスパイシー」って言っていたら辛くない美味しいタイ料理が出てきました笑。

 

–ちゃんとスパイスの無いやつにしてくれたんですね。

松本 そうですね。毎回レストランみたいな所に行って食べていたんですけど、ファミリーみたいな感じで良くしてくれたんですよね。

 

–ジムの近くですか?

松本 そうです。最初はGrabっていうアプリでデリバリーを頼んでいたんですけど、タイに行って2日目とかでジムの人と友達になって、「ご飯行こうよ」って言われて、そこからほぼ毎日その人と昼も夜もご飯を食べていました。

–PKにはスアキムやプラジャンチャイなど有名な選手も多くいらっしゃいますが、どんな選手と仲良くなったんですか?

松本 僕が1番良くしてもらったと思うのはプラジャンチャイですかね。僕は強くなりにきているので、ミットを沢山持ってもらっていたんですよ。「もう1ラウンドいいですか」みたいな感じで沢山やっていたら、PKの人に怒られてしまって。「あなたお客さんだから4ラウンドしかできないんだよ」みたいに言われて。

 

–そういったルールがあるんですね。

松本 でもプラジャンチャイとかの向こうの所属選手とかは、10ラウンド以上やったりしていて俺もマジでやりたいなと思って、「もう1回もう1回」って言ってたら怒られて、ミットを全然持ってもらえなくなってしまって。なのでプラジャンチャイとかの所に行って「僕もやりたいです」って言いに行ったんですよ。僕は14時にジムに行くんですけど、プラジャンチャイはいつも16時か17時くらいに来て、19時くらいまでいて。1番最後までトレーナーと2人でいるんですけど、そこに僕もいて、プラジャンチャイとトレーナーと僕で3人みたいな感じで最後まで残って仲良くしてもらったり。それで朝練も、プラジャンチャイのトレーナーと朝練をさせてもらって、「明日の7時にここに来いよ」って言われてプラジャンチャイと2人で朝練をしたり、結構可愛がってもらえましたね。

 

–そういう意味では積極的にコミュニケーションを取ったりして、人としての成長もできた感じがしますか?

松本 だいぶそこでも成長は実感していて、めっちゃ良い経験になりました。

 

–言葉とかはどうしたんですか?

松本 練習中とかはアドリブみたいな感じなんですけど、本当に会話をしたい時は携帯で翻訳機能を使っていました。

 

–では心身ともに鍛えられた合宿だったんですね。

松本 本当に行って良かったなと思いました。

 

–技術面などで新たに気付いた一面はありましたか?

松本 技術面の練習は日本の方が発展しているのかなと思いました。やっぱりPKは昔からあるジムなので、やり込んでやり込んでみたいな感じだったんですよ。でもそれがめっちゃ良くて、石川県にいた時の自分を思い出したというか。やっぱり量より質じゃなくて、量も絶対に大事だなっていう事にそこで改めて気づきましたね。

 

–元々の松本選手の練習量も多いからこそ、PKのやり方が合っていたんですかね?

松本 昔を思い出すくらいなので、良い経験にもなりましたね。

 

–プラジャンチャイから言われた言葉で、印象に残っている言葉はありますか?

松本 キックの練習の中だったら、前足の向きやカットについてとかですかね。プラジャンチャイも試合前だったので、できる時は技術練も2人でやったりしました。そんな感じだったんですけど、最後にDMで話して「絶対強くなれるよ」って言ってもらえたんですよね。

 

–その時は何でDMだったんですか?

松本 僕最後の2日間は熱が出てしまってジムに行けなくて、最後に挨拶にだけ行ったんですけど、その時はプラジャンチャイはいなかったんですよ。それで「もう帰るので」ってDMを送ったんですけど、そしたら「あなたに贈り物があったのに、なんで受け取らないんだよ」みたいな感じで連絡が来て。その贈り物がどんなのだったか知りたかったです。

 

–それは分からないままですか?

松本 はい。それが何だったのか知るためにも、もう一度PKに行きたいです笑。

 

–今回はトーナメントへの出場が両国大会で決まっていますが、1回戦は2度目の対戦となる塚本選手と対戦が決まりました。改めて前回の試合を振り返って勝因は何だったと思いますか?

松本 前回の勝因は、序盤は距離感を支配されて圧倒されていたんですけど、その中で1番大事だったのが前に出る気持ちだったんですよ。そこで折れずに前に出続けたから、攻撃も当たって逆転できたというのがあると思います。今はその時に比べて技術もついてきたし、そこで慎重になりがちなんですけど、あの時のアグレッシブさや前に出る気持ちの強さは絶対に忘れずに戦いに繋げたいなと思っています。

 

–逆に塚本選手の以前戦った時の印象と、最近の花岡竜戦での印象で違いはありますか?

松本 シンプルに全体的なレベルが上がっているなと思います。元々上手いので、上手い時からのスピードとパワーが全体的に上がっているなという印象ですね。目も当て勘も良いし、スピードとパワーもしっかりあるので、距離感の支配とかそこはやっぱり怖いですよね。

 

–花岡選手は練習仲間であったりもして仲が良いとは思うのですが、花岡選手からアドバイスなどはもらいましたか?

松本 若干アドバイスはもらったりしています。

 

–花岡選手を塚本選手が追い詰める場面もありましたが、そのあたりも警戒して見ていますか?

松本 そこはめちゃくちゃ警戒しますね。竜くん(花岡)は距離を掴むのがめっちゃ上手いのに、それを2ラウンド後半くらいまで支配していたので、そうなった時に焦らずに“どうしたら良いんだろう”で3分3ラウンドが終わらないようにしたいです。

 

–松本選手としてはそこを自分のペースに持っていくのが肝になりそうですか?

松本 自分のペースに持っていきたいですね。相手に合わせてしまうと、あっちの方が何枚も上手なので相手の土俵で戦ってしまうと上手くはいかないと思うので。

 

–どちらかというと、距離を潰して戦うようなスタイルになりますか?

松本 そんなに打たれ強いとは思っていないので、プレッシャーをかけてしっかり削ってメンタルを壊しにいきたいなと思っています。

 

–逆に反対のブロックでは数島大陸選手と棚澤大空選手が対戦しますが、どちらの選手が勝ち上がってくると予想しますか?

松本 僕は数島選手が上がって来るんじゃないかと予想しています。

–逆にそうなると3度目の対戦ですよね。やはり3度目でリベンジを果たして、ベルトを巻きたいという思いは強いですか?

松本 それはめちゃくちゃ強いですね。負けている相手には絶対にやり返したいので。前回数島選手とやった試合も、ダウンで事故っちゃってめっちゃやられましたけど、絶対に勝てないとは全然思いませんでした。次に戦うとなったらタイトルマッチなので5ラウンドになると思うんですけど、相手を削るっていう戦い方も前回の6月の平山戦で少し掴んだ感じがして、新しい戦い方ができたので、そういうのもしっかり組み合わせながら以前の勢いだけじゃなく、組み立ても意識しながら戦っていけたら勝てるなと思っています。

 

–フライ級の対戦するメンバーとしては、松本選手、数島選手、塚本選手って対戦していく回数が多い2人だと思うんですよ。松本選手にとってその2人はどんな存在だったりしますか?

松本 数島選手は2年前にあったタイトルマッチからずっと上にいる選手なので、マジで早く追い抜きたいっていうのはずっと思っています。早く僕が上にいきたいってずっと思っているし、でもその数島選手のおかげで強くなれているっていうのはあります。塚本選手に関してはずっと試合をしてませんでしたけど、この前の試合で「やべえな」って思ったので、ここで僕と塚本選手がやるのはめっちゃおもろいなっていうのは客観的に見て思います。でもたぶん前回の試合を見ていたら下馬標的に塚本選手が勝つっていう人が多いと思うので、そこをガラッと覆してしっかり3回目の数島選手と戦ってベルトを獲りたいですね。2人のおかげで下から狙われるのと、上を追うっていう僕の立場でめちゃくちゃ気が抜けない状況なので、本当に強くならせてもらっています。

 

–塚本選手とNEW WARRIORS tournamentで戦って、そこから松本選手が勢いに乗って勝っていった部分もあるじゃないですか。そういう意味では今回も塚本選手と戦って、また勢いよくベルトまで駆け上がりたいという心境ですか?

松本 そうですね。本当にその時と同じ感じなので、また同じことにならないように勝って勝ってベルトを巻きたいと思います。

 

–最後にいつも応援してくれているファンの皆様にメッセージをお願いします。

松本 いつもはベルトを巻けずに終わっているので、次は必ずベルトを巻いた姿をファンの皆さんに見せたいと思います。応援よろしくお願いします。

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