中村拓己さん見どころコラム「RISEの2つの世界路線が凝縮された両国決戦」【RISE WORLD SERIES 2025 FINAL】

その他 2025年10月31日

2025年11月2日(日)東京・両国国技館にて開催される「RISE WORLD SERIES 2025 FINAL」につきまして、中村拓己さんの見所コラムを公開します。

2025年のRISE最後のビッグマッチとなる「RISE WORLD SERIES 2025 FINAL」。今大会はRISEが推し進める2つの世界路線が凝縮されたラインナップとなった。

1つは2022年から継続するGLORYとの提携による世界路線だ。6月からスタートしたGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENTも1回戦を終え、RISEブロックではYURA、麻火佑太郎、ペトル・モラリ、笠原弘希が勝ち上がり、シード選手たちと2回戦を争う形になる。

チャド・コリンズの負傷欠場でYURAが不戦勝となったものの、8月のRISE世界スーパーライト級タイトルマッチでの敗戦からの再起を図る原口健飛がモラリを迎え撃つ一戦や昨年のGLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX3位のイ・ソンヒョンに麻火が挑む一戦、白鳥大珠と笠原のRISE×SB王者対決など、ワンマッチとしてもテーマ性の強いカードが並んだ。すでにトーナメントの枠組みも決まっており、2回戦の結果によっては次戦で原口と白鳥による65kg日本人頂上決戦が実現する可能性もあるなど、今後のトーナメントの動向を占う意味でも注目の2回戦だ。

そして南原健太vsGLORYミドル級(85kg)5位フランジス・ゴマも決定。これまでRISEとGLORYの提携では65kgのマッチメイクが主となっていたが、南原の復帰と合わせて重量級での交流が本格的にスタートすることなる。

今大会ではRISEウェルター級(67.5kg)王者の宇佐美秀メイソンがRIZIN韓国大会で引き分けに終わったジョ・サンヘとのリマッチに臨むが、メイソンが勝ち星を重ねていけば、階級的にGLORY系の選手たちと戦う可能性も出てくる。今大会をきっかけにRISE×GLORYの新たな展開が生まれることになるだろう。

もう1つは軽量級におけるアジアを中心とした世界路線だ。65kgよりも軽い階級はヨーロッパよりもアジアに強豪選手が多く、軽量級の日本人が世界を目指すうえでライバルになるのはアジアの選手たちになる。一方で志朗(バンタム級=55kg)と大﨑一貴(スーパーフライ級=53kg)がRISEの世界王座を保持していることからも分かる通り、日本人が世界の中心にいることも軽量級の特徴だ。

今大会で決勝を迎えるRISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournamentも日本・韓国・タイ・中国・ウズベキスタン・モロッコから選手がエントリーし、ベスト4には日本の中村寛、笠原友希、常陸飛雄馬、中国のエン・ペンジェーが勝ち上がり、中村とペンジェーが決勝で拳を交える。決勝がこの組み合わせになったことは軽量級におけるアジア人のレベルの高さの証明とも言えるだろう。

また前述したRISE世界バンタム級王者・志朗も玖村将史との防衛戦をクリアし、今大会ではタイ・オムノーイスタジアム王者ペットサムコムと対戦。志朗がタイの強豪と戦うのは2023年12月のブンロン戦以来、約1年11カ月ぶりとなり、今後は大﨑と共にvsムエタイを軸とした世界路線が期待される。

ワンマッチではRISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメントという王道カードもあれば、プロボクシングの世界王者でもある吉田実代の参戦といった変化球もあり、RISEのイベントとしての幅の広さも今大会には詰まっている。

RISE両国決戦は2025年の一つの締めくくりである共に、2026年に向けて新たな扉を開く大会だ。

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