ねぎ魔神インタビュー 「色んなことをキックボクシングに教えられた。ねぎ魔神を続けていくことの大切さを知りましたね」

インタビュー 2025年12月2日

12月7日(日)福岡・西鉄ホールにて開催する『RISE WEST.28』につきましてご案内申し上げます。

–引退試合までもう少しとなりましたが、今の心境を教えてください。

ねぎ 心境は複雑ですね。まだ戦いたいという気持ちもありますし、次の自分のステージに進まなければいけないっていう気持ちもあるので。ねぎねぎ。

RISE WORLD SERIESにも出て、ここまで毎試合全力で死ぬぐらい本気で練習してきたので、その中で自分としてはやり切ったという気持ちが強いです。面白い試合はできるかもしれないけど上には進めないと思い自分の中で区切りをつけました。自分の中にある“キックボクシング広めていきたい”という気持ちが大きいので、今回を機に引退して次のステージに進もうと思っています。ねぎねぎ。

 

–引退についてご自身で決断したタイミングについて教えてください。

ねぎ RISEで戦っていく中で、自分の強さの限界が分かって、これ以上戦っても自分にダメージが大きくなるなっていう気持ちになりました。

これ以上やっても先に進めないのが分かって、違うやり方でキックボクシングを広めていこうと思い、引退を決意しました。ねぎねぎ。

 

–会長やジムの方に引退することを伝えた時は、皆さんどんな感じでしたか?

ねぎ 会長はあまり口数が多くない人なので、いつも通り「ああ、そうなんだ」って感じで、最後だけどいつも通り練習を本気でしてくれて、会長はあまり変わらない感じでした。ねぎねぎ。

周りの人は「もっと試合を見たかった」って言ってくれる方が多かったですね。でもやっぱり、僕は鹿児島生まれなので、皆んなから頑固だと思われているんですよね。自分が言ったことを曲げないというか。だから今回も自分が決めた事なので、そうやって何を言われても自分が決めた道でやっていきたいと思っています。ねぎねぎ。

 

–ご家族は引退についてはどんな感じだったんですか?

ねぎ 家族に対してキックボクシングについてはあんまり言わないでという感じなので、直接話したりはしていないんですけど、親戚の人と話した時にやっぱり親は安心しているという事を言われました。ねぎねぎ。

 

–これまで18戦を戦ってきた中で、印象に残った試合はありますか?

ねぎ 印象に残った試合はいっぱいありますね。毎試合全力で戦ってきた中で、1回だけミスをした試合があるんですよ。それが谷将太戦です。(2022.3.20 RISE WEST ZERO)

前日計量が終わった後に食事で体重を戻さないといけないんですけど、その時に食べ過ぎてしまって試合の時に動けなくなってしまったんですよね 笑。ねぎねぎ。

–動けなくなるほど食べたんですか?

ねぎ お腹がいっぱいで気持ち悪かったです。初めての経験でした。ねぎねぎ。

 

–ちなみに何を食べたんですか?

ねぎ いつも和菓子を食べるんですけど、5000円分くらい買ってずっと食べていましたし、それに牛丼とか食べました。あれだけはミスったなっていうのでだいぶ印象に残っています。ねぎねぎ。

 

–他に印象に残っている試合はありますか?

ねぎ やっぱりYURA戦ですかね。1番最初にダウンを取って物凄く嬉しかったんですよ。自分がダウンを取った後にYURA選手がかなりフラフラしていたので、セコンドからは「このままストップになるんじゃないか」っていう声もあったりして、少し余裕を持ち過ぎました。戦っていてYURA選手のパンチは重くないなという印象だったんですけど、いつもよりパンチが見えないというか予想外なところからパンチが入ってきて、あのパンチには驚きましたね。

そして会場の盛り上がりもすごく聞こえてきて、自分の心もどんどん熱くなって“倒してやろう”っていう気持ちも大きくなっていって。あのまま3ラウンド目に前にいかなければ勝っていたと思うんですけど、前に出るねぎ魔神の戦い方をずっと突き詰めてきたので。最後に2回ダウンを取られて逆転負けでしたが、それでもやり切った感じがしてめちゃくちゃ楽しい試合でした。ねぎねぎ。

 

–現在YURA選手は世界トーナメントでも活躍していますが、どのように見ていますか?

ねぎ 嬉しいですね。もしかしたら勝っていたかもしれない対戦相手があんなに大きくなって、俺がもしあの状況で勝っていたらYURA選手みたいになれていたのかな。って考えたりします。ねぎねぎ。

 

–選手としてやり残したことはありますか?

ねぎ やり残した事はないです。人生は短いので本当に“人生1回”と思って毎試合死ぬ気で練習してきているので、それを全部出してきているので後悔はないです。ねぎねぎ。

 

–先ほども話に出たように、ご自身でジム(negi-gym)をオープンされましたよね。『キックボクシングの楽しさを広げる』を仕事にしていますが、充実感はどうでしょうか?

ねぎ 自分が作りたいと思っていたジムが自分らしくできてきているので、ものすごく充実しています。Breaking Downなどの怖い人たちが格闘技で多くなってきているんですけど、そういう人たちばかりではなくて、フィットネスとして立ち寄りやすくて怖くないジムを作ろうという思いで、そういう人たちばかりがジムに入ってきてくれているので、本当に充実しています。ねぎねぎ。

 

–今後ご自身でジムはもちろんやっていきますが、キックボクシングへの関わり方はどうしていきたいとかありますか?

ねぎ キックボクシングに関してはまだまだ携わっていきたいと思っているので、怖くないキックボクシングを広めていきたいです。広島ではいくつかキックボクシングの大会があるんですけど、そこでレフリーをやらせてもらったり、そうやってキックボクシングに携わって“怖くない”っていうのを広めていきたいと思っています。ねぎねぎ。

 

–キックボクシングと言うのはねぎ魔神選手にとって“人生が変わった”競技だと思いますか?

ねぎ ものすごく変わりました。21歳でキックボクシングを始めて、それまで目標を持って生きてきたりしていなかったんですけど、キックボクシングと出会えた事で目標に向かってきつい練習でもやっていく事ができました。周りの人たちがいるからできるっていう感謝の気持ちも、色んなことをキックボクシングに教えられて、キックボクシングのおかげでねぎ魔神も出来上がりました。なので「キックボクシングってこんなに良いんだよ」っていうのを伝えていきたいです。ねぎねぎ。

 

–ちなみに21歳の時にキックボクシングに出会ったのは偶然だったんですか?

ねぎ 本当にたまたまです。その時サラリーマンだったんですけど、会社を転職するタイミングで散歩をしていた時に、自分の家の近くにキックボクシングジムができるっていうのを見て、そこに入ったのがきっかけでした。ねぎねぎ。

 

–それまで格闘技は見ていましたか?

ねぎ 一切見てなかったです。小学校の頃の年末におばあちゃんの家で、格闘技か紅白を見るとなったら紅白を見ていたくらいなので笑。それくらい格闘技に怖いなというイメージがありました。ねぎねぎ。

 

–そもそもねぎ魔神選手ってデビュー当時からリングネームはねぎ魔神だったんですか?

ねぎ ねぎ魔神でした。ねぎねぎ。

–それはご自身で考えたんですか?

ねぎ ジムの中では会員さんたちから「ねぎ君」って呼ばれていて、プロデビューするっていう時に会長に決めてもらいました。ねぎねぎ。

 

–ご自身で最初に「ねぎ魔神」と聞いた時はどういう心境だったんですか?

ねぎ 面白いなっていうのはありました笑。ねぎねぎ。

 

–リングネームだったりネギを持って入場したり、それがきっかけで注目された所もあるじゃないですか。反響をどう感じていましたか?

ねぎ 反響というかねぎ魔神を続けていくことの大切さを知りましたね。最初の頃の試合では「ねぎ魔神? なんじゃそりゃ。舐めてるんか」みたいな声がSNSとかであったんですけど、それでも全力で試合のためにやってきたので、そういう姿を見てくれてねぎ魔神が格闘技業界ではスタンダードになってきていますし、名前のおかげで自分の好きなネギ農家さんとも出会えましたし、“ねぎ魔神”という事で色んなことを教えてもらいました。ねぎねぎ。

 

–ネギの季節になってきましたが、おすすめのねぎ料理はありますか?

ねぎ やっぱり酒蒸しですね。寒い時期に白ネギは大きくなるんですけど、今年は暑さが長引いてあまり大きくなっていなかったんですよ。それでもここ最近は平年通り寒くなってきて、ようやく2週間前ぐらいにネギを掘って出荷できるぐらいの季節になったので、そこからはずっとネギを食べていますね。ねぎねぎ。

 

–そして12月7日が引退エキシビジョンマッチとなりますが、リングで試合を通じて見せたいものはありますか?

ねぎ ジムをやりながらってやっぱり中々練習をできたもんじゃないですね。それでも本当に限界まで練習をやってきたし、人生1回がいつ終わるか分からないので、死ぬ時に後悔しないようにやってきました。最後にねぎ魔神らしい試合で全てを出して戦うので、ねぎ魔神らしさをまた見てください。ねぎねぎ。

 

–最後の相手に翔真選手を希望した理由を教えてください。

ねぎ 翔真選手といつか戦いたいと思っていたんですけど、インスタを見ていると翔真選手ってお茶目な所があるんですよ。そういう所をジムの仲間もずっと見ていて、翔真ファンが増えてきているのでそれを阻止したいです 笑。ただ本当に良い選手だと思っていて、翔真選手の戦いを見ていても試合中に笑顔になったり楽しそうに試合をするので、そんな選手と戦ったら絶対に盛り上がる試合になるだろうなと、最後にねぎ魔人らしい戦いになるだろうなって思うので、そこで選ばせてもいました。ねぎねぎ。

 

–最後にRISEとRISE WESTのファンの皆様にメッセージをお願いします。

ねぎ ねぎ魔神はこれが最後に試合になります。試合では最後かもしれないですけど、ねぎ魔神としてはまだまだキックボクシングに関わりながら生きていくので、まだまだ楽しみにしていてください。ねぎねぎ。

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