原口健飛 『ギリギリでもボロボロでも勝てたらいい』
インタビュー 2022年8月11日
大会メインイベントでペットパノムルン(タイ)と世界タイトルマッチを行う原口健飛FASCINATE FIGHT TEAM(兵庫県宝塚市)で公開練習を行った。
−−今日はシャドウとサンドバッグを見せていただきましたけどいずれもやっぱり目の前にペットパノムルン選手がいるってことを想定した上での動きだったわけですか?
原口 そうですね、シャドウとか意識はしてますね。
−−9ヶ月ぶりの再戦となりましたけども前回と比べてペットパノムルンの存在っていうのは今どういう風に映ってますか?
原口 存在は正直その9ヶ月前と変わんないですけど、ただ成長度合いとかファイターとしてのペット選手って多分もう行ききってると思うんですよね。あれ多分最高だと思うんですよ。あれが正直成長していくとかあんまり多分ないとは思うんで。僕はでもその中で9ヶ月の間でかなり気持ち的にも精神的にもファイターとしても強くなりましたし、だから存在はねもちろん凄い「栄光の絶対王者」ですけど、僕の気持ちがなんて言うんですかね、前回ほど大きく見過ぎてないような感じもありますね。
−−等身大のペットパノムルンを捉えてるって感じですかね?
原口 それだとちょっと失礼に当たるんで、凄いチャンピオンということで多少は今回もまた胸を借りてしっかりと戦おうかなとは思ってますけど。
−−今のそういう自信ってのはやっぱり6月の山崎戦で得たものも大きいわけですか?
原口 それはやっぱ一番大きいかな。山崎選手の一戦前のロンペットの時は本当に自分との勝負だったんで、正直勝って当たり前というか。だからあのファイトスタイルも粗いような感じでただ気持ちを全面的に出すようなスタイルだったんですけど、6月はねもう初めてパンチで吹っ飛ばされるかもしれへんとかいろんな恐怖と闘いながら、その中で自分のことをしっかりしたら勝てるやろっていう自信の中でしっかり勝てたんで、だから4月、6月でだいぶ色んなことに対して成長しましたね。
−−でしたら今年になって自分としてもかなり成長の度合いが高いっていうか大きいって感じですかね?
原口 正直DEAD OR ALIVEからあんまり成長できないと思ってたけどここまでまだ成長できんねんなって自分でも実感してるぐらいかなり成長はしてますね。
−−でしたらその成長の過程の中で前回のペットパノムルン戦では自分に何が足りなかったっていう所もかなり分析をされてますか?
原口 何が足りなかった…なんですかね勝ちたいっていう思いがあんまりなかった、なかったというかあったけど出てこなかったですね。やられたくないとか怪我したくないとかKOだけはされたくないとかそういう思いがやっぱり強かったんで、勝ちたいよりもそういう大怪我せんかったらいいなとかそういう心配ばっかりしてたんで、やっぱそことの違いですよね。
−−でしたら今原口選手のマインドは前回と全然違うわけですね。
原口 かなり、180度ちゃいますね。だから多分びっくりすると思いますね、ペット選手も。
−−今回RISEの世界タイトルが懸かったっていう部分ではいかがですか?
原口 ベルトに関しては別にいつも考えてないし、もちろんファイターとしてベルトは欲しいですけど、そこじゃなくて。リベンジマッチでしっかり受けて再戦してくれてるし向こうも。だからそこは深く考えずに感謝も込めてしっかりと打ちのめしたいなとは思ってますね。
−−今回世界王座決定戦ということで試合時間も3分5ラウンド延長無制限ラウンドになりましたけどその辺は意識されますか?
原口 そこは意識しますね。やっぱり全然違うし、3分5ラウンドっていう契約は2回ぐらいあるんですけどいつも1ラウンドで終わったりとか3ラウンドで終わったりとか、4ラウンド以降を内藤大樹戦以来したことないんで。でも5ラウンド以上戦えるようにしてきてるんでそこは別に自分がしっかりしてれば大丈夫かなと思いますね。
−−タイ人は5ラウンドの戦い方っていうのはかなり熟知してると思いますけどその辺はいかがですか?
原口 だからそれを逆に逆手にとってもいいのかなっていう感じはありますよね、あえて。
−−そこのさわりだけでもいいので逆手にとるっていう部分を若干だけでも喋っていただくことは可能ですか?
原口 基本ペット選手とかタイ人とかって、印象なんですけど基本1ラウンドから5ラウンドまでずっと同じ動きで終える、ましてや3ラウンド勝てば例えば4、5は流すような。ペット選手も基本GLORYとか見とってもそういう傾向が多いんで、逆にそこがすきすきでもあるじゃないですか。RISEルールってムエタイと違って流したら勝てるのかって言われたらそうでもないし、4、5で巻き返せばドローになるかもしれないし、そういうところですよね。だから今回は勿論真っ向勝負で行く時は行くし、でも日本人らしく僕らしく賢く、ずる賢く戦おうかなと思ってますね。
−−今日も孤独な公開練習でしたけど普段の練習の環境っていうのは今どういう風になるんですか?
原口 練習の環境は良いですよいつも通りで。父親もいつもより気合い入ってるんでもうどんな時でも付き合ってくれるし。前回まではね夜だけとかやったんですけど今は練習したい時に昼間でも朝でも夜中でも呼んだら来てくれるし、前回よりも良くなってますね僕の中では。
−−誰かから試合に関してアドバイスをもらったりしてますか?
原口 いや特にはないですね。いつも通り自分と父親で対策立てながら。あと海人くんに少しだけアドバイスもらいましたね。
−−そこはかなりキーポイントになるようなアドバイスですか?
原口 実行出来れば。海人くんやから出来るかもしれんし、実行できればかなり勝率上がってくるんじゃないかなとは思ってますね。
−−前回の試合でやっぱりそのワンキャッチからの攻撃がすごいペット選手上手いなと思ったんですけども、あそこの対策というのはどうでしょうか?
原口 それもだいぶ大丈夫にはなりましたね。そこは逆に首相撲で来てもらいたいぐらいなところもありますね今は。
−−そこに何か秘策があるわけですね?
原口 秘策というか前回はもう自分に負けただけなんで。首相撲されて何か効かされたとかそんなんはなかったし、正直首相撲中に相手いっぱい隙もあったんですけど、自分がこう隙があんのに出せへんかったっていう試合だったんで今回は別に首相撲中にできる攻撃とかも用意してるんでそこは大丈夫かなと思いますね。
−−ちなみにこの前回両選手とも隔離期間っていうのを置いて試合だったじゃないですか。今回はそれはないわけですけどもそれって試合に何か影響してくると思いますか?
原口 影響しますねかなり。いつも父親と最終対策みたいなのを喋りながらするんですけど、やっぱりそれがなかったら結構きつかったかもしれないですね、分かんないですけど。やっぱりいつもの通りじゃないっていうのはね、向こうも同じだけどやっぱそこは結構大きかったかもしれないですね。
−−イメージとしてはもう5ラウンドの中で倒し切るというイメージです?それとも5ラウンドフルに使って戦うというか競り合って勝つみたいなイメージですか?
原口 まぁ両方ですね。僕はいつも1ラウンド目でどうするか決めるんで、1ラウンド終えてから倒しにいくか倒しに行かないか決めるんで、もうこればっかりは分かんないですね。ただもう今回なんとしてでも勝たないとあかんから、ほんまもう2−1とかでもギリギリでもボロボロでも勝てたらいいかなと思ってます。
−−やっぱりRISEと原口選手の強さを世界に轟かせたいという思いはありますか?
原口 もちろんありますね。最近キックボクシングルールでペットに勝ってる人って多分ほんまに何年もいてないと思うんで。ムエタイではね負けましたけど、あんなんは別にムエタイなんでほっといて、キックルールでは正直勝てる人は多分もう世界でもいないぐらいだと思うんで、僕がマグレでも勝てばかなりキックボクシング界が揺れるんじゃないですかね。
−−前回の試合の後に山崎選手と一緒に写真を映っていたりとかSNSとかで上がっていたんですけども、今回のペット戦にあたって何か言葉をかけられたりとかしましたか?
原口 普通に心から応援してます、頑張ってよっていうのはもらいました。
−−山崎選手を倒したことで具体的な明らかな心境の変化があったとかあればちょっと詳しく教えていただければ。
原口 自信にはなりましたね。僕がもうデビューした何年も前から日本トップでやってたし、そういう人に正直真っ向勝負で勝てた日本人ってあんまりいてないと思うんで、だからそこはやっぱり自信になりましたね。
−−前回の敗因としてやっぱりその気持ちの弱さみたいなことを今日もおっしゃってましたけど、それを克服するために何をやってきたかとか日々気をつけていることとかそういうのがありましたら教えてください。
原口 これはもうロンペットの時にだいぶやっぱ練習量も変わったし、練習量でだいぶ気持ちも変わるし、昔天心くんに質問したことがあって、「試合前とかやっぱ怖くないん?」っていうのを聞いたら「怖いけど練習量でカバーしていく」みたいな感じで教えてくれたんですよね。だからやっぱりその言葉を信じて練習をしっかりすれば自然と気持ちが付いてきたっていう感じですね。
−−最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
原口 今回は必ず、なんとしてでも世界のベルトを僕が巻くんで皆さん応援お願いします!