田丸辰インタビュー『誰かが作った道を行くんじゃなくて、自分にしかないストーリーをみんなに知ってもらいたい』
インタビュー 2023年12月11日
来る12月16日(土)両国国技館にて開催します『RUF presents RISE WORLD SERIES 2023 Final Round』にて、RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament 決勝戦でクマンドーイ・ペッティンディーアカデミーと対戦する田丸 辰(TRY HAED GYM)の試合前インタビューをお届けします。
–トーナメント決勝戦が近づいて来ましたが体調はいかがですか?
田丸 体調はめちゃくちゃ良い感じですけど、免疫力下がってきてるのでしっかり最後まで体調管理します。
–公開練習では力強いワンツーを見せていただきましたけどパンチはかなり強化してますか?
田丸 風音戦からボクシングのパーソナルに行っていてパンチの修正をやってもらっているので、パンチ力が上がってきていますね。
–今回決勝戦でもう一方のブロックから勝ち上がってきたのはクマンドーイ選手です。こんなこと言ったら失礼かもしれないですけどお互いにトーナメントで全く周囲の予想とは違うという方々が多いと思いますが、改めてこの組み合わせはどのように捉えてますか?
田丸 僕はずっとこの試合をやりたいと言ってきたので、みんないい感じに掌を返してきてるので「クマンドーイやっぱめちゃくちゃ強い」とか「田丸行くと思ってた」とか言ってるので、僕は「でしょうね」って感じです。
–今回勝敗予想でクマンドーイに分があるんじゃないかと言う人がいたら、試合終わった時に手の平返しをさせたい?
田丸 風音戦からずっとそうですけど、相手が勝つって言われた試合を勝ってきてるので、今回もクマンドーイ選手が勝つと言われてる声が多い気がしますが、全然何も感じてないです。
–対戦相手が有利じゃないかという声は、逆に自分のエネルギーになりますか?
田丸 自分が勝つって言われてる方が僕はやりにくいので、見てろよというのはあります。
–「田丸今回はやばいんじゃないか」という声が大きくなる方が逆に嬉しいくらい?
田丸 そっちの方が勝った時に認めてくれると思うので、相手がしっかり強い方が自分は嬉しいです。
–そのクマンドーイ選手なんですが、初戦・準決勝とボクシングのスキルが違うと言うか戦術を変えてきましたけど、その辺はどのように捉えてらっしゃいますか?
田丸 単純に1回戦の相手がやりにくかっただけなんじゃないかな。元々ボクシングの技術は上手いですし、1回戦の相手がやりにくかったからそう見えるのだと思います。
–今立ててる戦術は明かせないと思いますが、クマンドーイ選手が志朗戦同様に高いボクシングのスキルで挑んできたらどう対応しますか?
田丸 ボクシングの技術だったら100%負けないので、パンチで来てくれた方がありがたいです。
–100%負けない?
田丸 負けないです。
–自信満々ですね。
田丸 パンチだけの技術で、練習とかでもそうですけど、この人に勝てないなと感じたことはあまりないので。ボクサー相手でも技術で戦えるので。
–ボクシングに転向しても全然俺いけるんじゃないかと思う?
田丸 色々違うのでそれはまた別ですけど、ボクサーと3ラウンドで戦っても勝てるかは分からないけど戦える気はします。でもボクシングをやるとなったら世界のトップレベルは小さい頃からやっているのでそんな簡単にはいかないです。
–今回のトーナメントは契約体重が54kgですが54kgの戦いは慣れてきましたか?
田丸 何回かやってるので減量とかもこういう感じでやれば調子いいなっていうがあるし、51.5kgの時よりは全然楽に調整ができています。
–このトーナメントが終わったら田丸は何kgでやるんだ?って声もあると思うのですが。
田丸 難しいですよね。全然何も考えてないですけど、個人的に51.5も53もベルト1回獲ってるので、そのベルトっていうよりは53kgの誰とやるのか55kgの誰とやるのかとかそういう感じでやっていきたいのはあります。
–来年以降は55kgも視野に入れていく?
田丸 鈴木選手に負けているので、ベルトを目指すとなると55kgになってくるのかなと思います。
–クマンドーイ選手はみんなが予想外という話でしたが、クマンドーイ選手が上がってくるのを田丸選手は予測していましたか?
田丸 正直志朗選手が勝つかなと予想してたんですけど、みんなが思ってるほど志朗選手の事は過大評価だと思ってるので、どっちが勝つかなっていうのはありました。
–クマンドーイ選手の強さはどこにあると考えますか?
田丸 攻撃力じゃないですかね。パンチも蹴りも強いし、気持ちも強いし思い切りがいいので全部強そうだなって思います。
–クマンドーイ選手のボクシングの試合は見ました?
田丸 この間やってた試合はちょっと見ました。
–それを踏まえて、さらに上がっているなと感じましたか?
田丸 特に何も感じていません(笑)。
–今回はクマンドーイ戦に向けてどのような練習をしてきましたか?
田丸 攻撃力がある選手なので出来るだけ貰わないように攻撃をさばいたり、思いっきり振ってくるのでこっちのカウンターが当たれば倒れるし、現にクマンドーイ選手ってダウン取ったりKOしたりしますけど自分がやられてる試合も結構あるので、それは狙っていけきます。
–田丸選手はデビューの頃から技術とスピードがすごいという感じですけど、最近では攻撃力を増したようにも感じているんですけど、どういうところで自分が強くなってきた理由があると思いますか?
田丸 デビューしたてからベルトを獲って拳を痛めるまでは今と同じような感じでダウンを取ったり、KOはなかったですけどほぼ全試合ダウンを取ったり効かせたりしてたんですけど、拳を痛めてからディフェンシブというか当てて逃げるスタイルになって、なかなか相手に怖さを伝えられなくて。拳が治ってからは相手にもこれを貰ったらやばいなっていうのが伝わっていると思うので、それが今の結果につながっているのかなっていうのはあります。
–むしろスタイルは戻ってきたという感じなんですね。
田丸 今までのスタイルにプラス若い頃にはなかった経験値や技術が詰まってきて、今一番いい状態です。
–クマンドーイ選手というと日本の選手が大きく知ったのはRIZINの那須川天心戦ですが、ご自分が以前「天心2世」と言われてたこともあってあの試合を超えるということは意識してますか?
田丸 全然意識してなくて、あの試合を超えたいって比較されるのが僕は嫌なんで、自分の道でしか切り開いて行けないので、誰かが作った道を行くんじゃなくて、ここで衝撃的な勝ち方をして天心2世としてじゃなくて自分の名前を覚えてもらって、10代の頃からチャンピオンになって、勝てなくなって、また今回世界チャンピオンになってというのは自分にしかないストーリーなので、それをみんなに知ってもらえたらなと思っています。
–自分の中のパフォーマンスを突き詰めるという意味で勝ち方はKOを狙いますか?
田丸 自分的にはここで倒して勝つのと判定ギリギリで勝つのでは評価が変わってくると思うので、負けるのは最悪だし勝つことが一番ですけど、スターになるためにはここで倒さなきゃいけないので、それは意識しています。
–この試合が大一番なのは重々承知してますが、他のRISE選手も他団体の選手を意識した発言がありますが田丸選手はそういうのはありますか?
田丸 多団体はあまり興味なくて、軽量級だと日本だったらRISEが一番レベルが高いと個人的には思うので、RISEのトップを証明しつつ注目されているONEとかにRISE代表としていけたらいいなと思います。
–最後にファンの方々にメッセージをお願いします。
田丸 調子めちゃくちゃいいので12月16日の決勝戦はめちゃくちゃ期待してください。必ず勝って世界一になって、応援しててよかったなと思えるような選手になるので、期待してください。