RISE ELDORADO 2025 中村拓己さんの見所コラム「今年のELDORADOは純RISEによる最高級のラインナップ、RISEスタイルを世界に発信する時が来た!」
大会情報 2025年3月27日
3月29日(土)東京・両国国技館にて開催します『RISE ELDORADO 2025』の見どころコラム(文:中村拓己さん)を公開します。
今年もRISE年間最大のビッグマッチ「RISE ELDORADO」(ライズ・エルドラド)の季節がやってきた。今回が5度目の開催となるELDORADOは、過去最高と言ってもいい豪華ラインナップが揃った。
大会の軸は大きく分けて3つ。1つめは65kg戦線の4試合だ。65kgは昨年12月にRISEがGLORYと協力して8選手参加によるワンデートーナメント=GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIXを開催した階級。今年はさらにバージョンアップし、2025年6月から1年間・5大会をかけて優勝を争う全24選手参加のトーナメント=LAST FEATHERWEIGHT STANDINGの開催も決まっており、最もRISEで注目を集める階級とも言える。
白鳥大珠vs麻火佑太郎のRISEスーパーライト(65kg)級王座決定戦と原口健飛vsイ・ソンヒョンはGLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIXからの流れを汲むマッチアップだ。白鳥はGP1回戦でペットパノムルンに完敗を喫し、今回が再起戦となる。対する麻火はGPのリザーブファイトでKO勝ちしており、対照的な立場の2人がRISEのベルトを争うという図式になった。原口vsソンヒョンはGP1回戦でミゲール・トリンダーデにKO負けした原口とGP準決勝でペットパノムルンに敗れたソンヒョンによる対戦。こちらも65kg戦線の生き残りをかけた“ガチ”なマッチメイクになっている。
そして約1年7カ月ぶりのRISE参戦となるYA-MANはGP準優勝のミゲールとOFGマッチで激突する。MMAも含めてOFGでは勝った試合がすべてKOというYA-MANと65kgでも世界トップの破壊力を誇るミゲールのOFGマッチはKO決着必至の一戦。またYA-MANは白鳥と麻火が争うRISE王座にも興味を示し、ミゲールはペットパノムルンへのリベンジにも燃えている。またOFGマッチでは再浮上を目指す山口裕人とRISEでの上位進出を目論むYURAによる一戦も組まれており、OFGマッチというハードコア路線も、今後の65kg戦線を占う試合として並んでいる。
2つめはRISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournamentだ。RISE WORLD SERIES Tournamentは2019年からスタートしたRISEの世界トーナメントで、2年ぶりの開催となる今回はRISEの階級としてはスーパーフェザー級(60kg)とライト級(63kg)のキャッチウエイトにあたる-61.5kgで実施となる。
日本からはRISEライト級王者の中村寛、RISEスーパーフェザー級3位の常陸飛雄馬、シュートボクシング日本スーパーフェザー級王者の笠原友希が参戦。海外勢としてはRISEでも活躍するチャンヒョン・リー、パヌワット・TGT、エン・ペンジェーに加え、軽量級に強豪選手が揃うEnfusionの現役王者レダ・べラーセン、格闘技界を席巻する中央アジア=ウズベキスタンからシャクリヨール・ユラエフが乗り込んでくる。1回戦で日本人が全滅する可能性もある“ガチ”なトーナメントだ。
3つめは現役チャンピオンを中心とした日本VS世界のワンマッチだ。昨年大躍進を遂げて2024年の年間MVPに輝いたRISEフライ級王者・那須川龍心はムエタイの強豪クマンドーイ・ペッティンディーアカデミーと対戦。龍心にとってクマンドーイは過去最強の相手であり、兄・天心を苦しめた男との戦いでもある。天心と判定までもつれたクマンドーイをKOすることになれば、まさに龍心革命の第一歩となる戦いだ。
右拳の負傷で欠場が続いていたRISE世界バンタム級王者・志朗は韓国のユン・ドクジェと復帰戦。5.11RISE名古屋大会でのRISE世界王座戦を目指す大﨑一貴はフィリピンのアレスター・タグレ、年末にRISEウェルター級王者となった宇佐美秀メイソンは同じくフィリピンのジェラルド・ヴィーラーデを迎え撃つ。
まさにナンバーシリーズであれば全試合がメインイベント級、過去最高級のラインナップがとなったが今年のELDORADOだが、この大会は対戦カードの豪華さだけでなくRISEが新たな一歩を踏み出す大会でもある。
GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIXを開催した昨年12月の幕張大会は世界75カ国で配信され、日本はもちろん海外の反響も大きく、RISEの名が世界に広がるきっかけとなった。ただしこの大会はRISE主催のイベント内でGLORYのトーナメントを行う形で、海外のビッグマッチを日本で開催するという意味合いが強いイベントだった。
しかし今回のELDORADOは純RISEで構成されたマッチメイク。大会そのものもRISE本体として初のPPVイベントとして行われ、ABEMA Liveを通して世界配信されることも決まり、ELDORADOという日本・RISE発のビッグマッチを世界へ発信する大会なのだ。
幕張大会後にRISE伊藤隆代表は「海外の方が競技という部分が評価される。RISEのスタイルは日本よりも海外の方が受けると実感した」と語っていたが、いよいよそのRISEスタイルを世界に発信する時期が来た。まさに「This is RISE」、世界がRISEを知る!