■RISE179 中村拓己さんの見所コラム
大会情報 2024年6月28日
『志朗降臨で指定席が完売!超満員の後楽園を“正統派”のRISEで熱くする』
6月30日(日)に開催される「RISE179」の見どころコラムを公開します。
ぜひ大会前にご覧ください。(文:中村拓己)
大会8日前の6月22日、今大会の指定席全席完売がアナウンスされた。急遽数量限定での立見券の販売が決まり、通常の大会で用意される小中高生シートの販売なし・立見完売の場合は当日券の販売はなしという、完全ソールドアウト目前の興行となった。
「RISEではビッグマッチを年4回、後楽園大会を年10回やっているので、僕らのメインホームは後楽園なんですよ。選手たちは後楽園で活躍できなければ上には行けないし、後楽園で活躍できない選手がビッグマッチでは活躍できない。後楽園大会は本当に大事だと思っています」
この伊藤隆代表の言葉通り、2024年のRISEナンバーシリーズ=後楽園大会の充実ぶりが際立っている。1月大会ではチャンヒョン・リーVS大雅のタイトルマッチをメインに据え、2月大会ではRISEの未来を担う若き精鋭たちが勢ぞろい。4月大会は出場選手欠場を受けて急遽「漢気トーナメント」が組まれ(※当初は復活がテーマの試合が並んでいた)、5月大会では小林愛理奈と小林愛三がOFGマッチで拳を交え、女子格闘技の歴史を変える激闘を繰り広げた。各大会それぞれ異なるテーマが設けられ、ビッグイベントで戦う選手たちがメインを締める。その形がしっかりと構築され、ファンに支持される。それが今のRISEの後楽園大会だ。
今大会の最大の目玉は志朗の約4年ぶりの後楽園ホール登場だ。RISE世界バンタム級王者として、RISEのビッグマッチ=アリーナクラスの会場で戦い、THE MATCH 2022では東京ドームのリングにも立った志朗。当初は9.8横浜BUNTAI大会への参戦を予定していたが「志朗自身が『9月の前に1試合やりたい』ということで、過去のインタビューで『年間6試合やりたい』『後楽園でも試合をしたい』と話していたことを思い出して、6月の後楽園出場を打診したところ快諾してくれました」(伊藤代表)と異例の後楽園大会への出場となった。
ずばり志朗が後楽園ホールで試合をするのは、これが最後になるかもしれない。先ほども説明したように志朗はRISEの世界王者で、ビッグマッチの主軸を担う選手である。今回は様々なタイミングと条件が重なって、後楽園のリングに立つことになったが、今後ここまで志朗が後楽園ホールで試合をする条件が揃うことはないだろう。そのプレミア感が多くのファンの心に届き、それが指定席完売という状況に至った。
しかも対戦相手の“The Jewel”クリスティアン・マンゾは一芸に秀でたタイプではなく、攻守のバランスがいいテクニシャン。志朗との対戦ではハイレベルかつ濃厚な技術戦になるだろう。そして志朗VSマンゾを筆頭に、この大会では純粋に技術で魅せられる選手たちが集まった。長谷川海翔VS花岡竜はスーパーフライ級のトップランカー対決、梅井泰成vs翔と松本天志vs寛人は連敗中のトップランカー(梅井・松本)が下克上に燃える下位選手を迎え撃つという図式だ。伊藤代表は今回の後楽園大会を正統派な大会として盛り上げたいと語る。
「志朗と対戦するマンゾは何でもできるオールラウンダーで、志朗とは玄人好みの試合になるでしょうね。志朗ファンはキックボクシングファンが多いので、そこも後楽園という会場にピタリとハマっているのかなと思います。長谷川VS花岡はずっとRISEを見てきたRISEファンにとってはたまらないカードだと思いますし、53㎏はチャンピオンの大﨑一貴が一強という状況です。長谷川・花岡には見に来てくれる方々やABEMA視聴者を『この試合の勝者が大﨑に絡んでいくんじゃないか』と納得させる勝ち方でインパクトを残してほしいです。(梅井vs翔・松本vs寛人は)上位ランカーに勢いのある選手をぶつけるのはRISEらしいマッチメークですし、そういう(シビアな)試合だからこそ面白くなると思います。今回はキャラクターが濃い選手が少なくて、正統派な選手とカードが並びました。選手とともに会場の一体感を作って、後楽園を爆発させたいですね」
ハイレベルな技術の攻防と気持ちのぶつかり合いを期待するファンが足を運んで、会場が超満員になる。そんな格闘技の原点がRISEという舞台で見られるはずだ。