【中村拓己さん見どころコラム】世界を見据える王者・大﨑に叩き上げの大森が挑む!真夏の後楽園はRISE育ちによる“ガチRISE”

その他 2024年8月29日

8月31日(土)に開催される「RISE181」の見どころコラムを公開します。

ぜひ大会前にご覧ください。(文:中村拓己)

 

 夏のRISE後楽園2連戦、8月のメインイベントにはRISEバンタム級タイトルマッチ、王者・大﨑孔稀VS挑戦者・大森隆之介が組まれた。この両者は対戦カード発表記者会見から、それぞれの主張をぶつけ合い、対立図式が明確な一戦だ。

 王者・大﨑はWMC&J-NETWORKの2冠王者として、2019年からRISEに参戦。軽量級のトップ戦線で活躍し、昨年2023年12月に鈴木真彦の約5年に及ぶ長期政権に終止符を打ち、RISEバンタム級王座を獲得。王者としての初戦となった5月のヨーブアデーン戦では、試合直前で対戦相手が変更になったものの、強烈なボディブローでヨーブアデーンをマットに沈めた。

 一方の挑戦者・大森はRISEのアマチュア大会出身で、2020年にRISEでプロデビューした、まさにRISEの叩き上げ。今年3月の「RISE ELDORADO 2024」ではシュートボクシングの山田虎矢太をバックブローでKOする番狂わせを起こし、この勝利が評価されて王座挑戦のチャンスを得た。ランキングでは4位の大森が挑戦する形で、大森自身も今回のタイトルマッチを“飛び級マッチ”と表現している一戦だ。

 大﨑は大森の抜擢について「全然納得はしていない」と不満を露にし「RISEの軽量級は激戦区で、僕自身も簡単に取れたベルトではない。そういった意味でも甘くないし、僕が簡単に渡せるようなベルトでもない。僕は(ここまで)積み上げてきたところがあるし、飛び級で来たからこそ、そこの差が出る」と勝つだけではなく、王者として差を見せて勝つと言い放つ。

 一方の大森は“飛び級マッチ”、そして下馬評が不利であることを認めたうえで「皆がこの試合が良いと思ってくれるのも僕のKOを期待しているからで、KO(する可能性)があるから勝負論があると思っている。大﨑選手のような選手を倒すのは、僕みたいに爆発力がある選手じゃないと無理。正直、自信がある」と前戦に続く番狂わせに自信をのぞかせる。

 また大﨑が「日本人に相手はいないという試合を見せて、世界に挑戦していきたい。僕はムエタイもキックボクシングも両方できるので、今回結果を出せばONEに挑戦したい」とONEへの参戦も視野に入れているのに対し、大森は「上を見ていないような言い方かもしれないけど、僕は正直ONEに出たいとは1ミリも思っていないです。僕はほんまにこの試合に懸けていて、今後の展望みたいなものはない。日本の格闘技業界をもっと盛り上げたい」とRISEのベルトしか見ていない。

 さらに大﨑は兄との絆、大森は同門のRISEフェザー級王者・門口佳佑との絆を言葉にしている。

「兄弟でRISEの世界のベルトもONEのベルトも兄弟で獲りたい」(大﨑)

「公民館にミットとスピーカーを持ち込んで練習を始めたのが僕たちのスタート。大﨑選手も兄弟を意識しているけれど僕らにもそれに負けない絆があって、夢をかなえたい」(大森)

 この試合でVS日本人に終止符を打ち、世界への挑戦を見据える難攻不落の王者・大﨑。一撃の破壊力で番狂わせとRISE王座奪取に燃える挑戦者・大森。2人の主義主張がぶつかり合うタイトルマッチに注目だ。

 そして今大会では大森を筆頭に、RISEのアマチュアや育成大会から頭角を現してきた選手たちが名を連ねる大会となった。

 セミファイナルに出場する松本天志はRISEからもトップアマ選手が出場するJAPAN CUP出身で、近藤大晟、TAKU、野口紘志、横山大翔はRISEと新人育成において協力関係にあるStand up のKing of Rookieで実績を残している選手たちだ。

 RISEではアマチュア大会のRISE Novaからスタートし、新人がキャリアを積むStand up、後楽園のナンバーシリーズ、そしてビッグマッチという流れで大会が開催されている。RISE伊藤隆代表もこの育成システムで育った選手たちのレベルの高さには目を見張るものがあるという。

「RISEルールが普通のキックボクシングと違って特殊な部分があるので、アマチュアから選手を作っていく必要があって、1番は試合経験。今の選手はアマチュアで50戦以上は経験しているので、プロになってすぐに良いパフォーマンスができるようになっていると思います。そしてStand up自体は本当にレベルが高くて、後楽園に出ていて若くてすごいなと思う選手はStand upを経験していることが多いですね。たまに『これって俺の時代だったらタイトルマッチだろうな』というレベルの選手もいます」

 RISEは9.8横浜BUNTAIでビッグマッチ=WORLD SERIESの開催を控えており、この大会では海外の強豪も多数参戦して、世界に向けて発信するイベントが開催される。そのビッグイベントを前にした、8.31後楽園大会ではRISE純度の高い選手たちによる戦いが繰り広げられるはずだ。真夏の後楽園で、そんな“ガチRISE”を堪能しよう。

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