RISE183中村拓己さんの見所コラム「数島大陸vs那須川龍心に求められるのは圧勝&完全決着、新たなライバルストーリーの誕生にも期待」

大会情報 2024年11月20日

11月23日(祝土)東京・後楽園ホールにて開催します『RISE183』の見どころコラム(文:中村拓己さん)を公開します。

2024年のRISE後楽園シリーズも残すところ2大会。各大会で様々なテーマのメインイベントやタイトルマッチが組まれてきたが、今大会のメインイベント=王者・数島大陸vs挑戦者・那須川龍心のフライ級タイトルマッチほど、お互いの感情をむき出しにしたライバル対決はないだろう。

 発端は王者・数島のXでの発言。9.8RISE横浜大会を観戦していた数島が「昨日の那須川龍心の試合の後、リング上に上がる予定やったのに上がられへんかったから言おうと思っていた事をここで言うけど、次のフライ級タイトルマッチでRISEが龍心に勝たそうとしてるのがすごく感じる。だから龍心のファンじゃなくて、RISEファンの皆さん、実力でどっちが強いか見ててほしい。今回はRISEとの勝負でもある。RISEもあんま俺の事舐めんなよ」と龍心、そしてRISEへ不満をぶちまけたのだ。

 その後、数島と那須川の対戦が正式に決定し、記者会見の場が設けられると、ここでも数島は龍心とRISEを“口撃”した。

「今回は那須川龍心選手との戦いだけではなくRISEとの勝負もあると思っている。那須川選手は色々なメディアに出て、勢いもあって注目されていて、RISEもいい待遇を与えていると思っている。そんな奴には負けたくないし“お前ら全員見とけよ”と思っている」

「どちらかというと僕は無口で結果で証明してきたけど、今は結果だけ出していても本当に強い奴は注目されていなかったり“RISEはガチ”と言っている割には数字ばっかり気にしているんちゃうかなと思う」

 一連の数島の発言に、龍心も「自分自身、飛び級でここまで来たわけじゃないと思っているし、しっかり一歩ずつ勝たなければいけない相手に勝ってきたので、それをとやかく言われる筋合いはない」と反撃。さらに自身のXで「流石に数島選手の発言がダサすぎるんで、自分がベルトを取ってさらにカッコいいベルトにします」と王者失格の烙印を押した。その後も数島と龍心はSNSや煽り映像内で互いの主張をぶつけ合い、平行線のまま試合当日を迎えることになる。

 数島は昨年10月に松本天志を降して第2代RISEフライ級王座に就き、今年はクンスック・ペッティンディーアカデミー、スドロー・ソージョートンプラシンとムエタイの強豪に連勝して、まさに言葉ではなく拳で王者としての強さを見せてきた。

 一方の龍心も昨年2月に塚本望夢に敗れたあとは連戦連勝。今年はABEMAの恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。」出演で一般的な人気を集める一方、3月に数島と王座を争った松本を下し、6月には塚本へのリベンジを果たし、実力で挑戦権を勝ち取った。

 数島・龍心はどちらも周囲を納得させるだけの結果を残したうえで、お互いの感情を言葉にしている。この2人の主張が注目されて賛否両論を生むのは、どちらの言葉にも説得力があるからだ。だからこそ今回もリング上で白黒をはっきりつけて、どちらがチャンピオンに相応しいか、どちらの主張が支持されるかを結果で見せる必要がある。

 RISE伊藤隆代表も両者には「数島はあれだけのことを言うのであれば圧倒的な差をつけて勝つべきだし『だから俺は違うだろ』というのを見せて欲しい。龍心も会見では静かでしたが(数島から)そう言われるんだったら圧倒的に差をつけて勝つべき。ここは僅差の判定ではファンも納得しないし、両者とも納得しないと思います」と完全決着を求めている。

 ライバル闘争にピリオドを打って、最後にベルトを巻くのは王者・数島か、それとも挑戦者・龍心か。

 今回の数島VS龍心のようにライバル対決は周囲も巻き込んで盛り上がる。例えばライト級は王者・中村寛が頭一つ抜けている状況で、伊藤澄哉vs髙橋聖人と北井智大vs塩川琉斗の2試合が組まれた。この4選手には結果はもちろん試合内容でも、中村のライバルになる可能性を示す試合が必要だ。フェザー級でも翔vs久津輪将充と寺山遼冴vsKING龍蔵が組まれているが、新王者・安本晴翔と前王者・門口佳佑に割って入る新たなライバル登場が待たれる。京谷祐希VS長谷川海翔は本来スーパーフライ級の長谷川がバンタム級挑戦も見据えた一戦でもあり、この試合の結果によっては長谷川がバンタム級に新しい風を吹かせることになる。

 数島VS龍心が雌雄を決する今大会、新たなライバルストーリーの誕生にも注目したい。

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