那須川龍心インタビュー「いかに注目度を高めるか、求心力を高めるかっていうところが大事だと思う。僕はそこをやってきた自負があるので、優遇されてるとかは言われたくない」
インタビュー 2024年11月19日
11月23日(祝土)東京・後楽園ホールにて開催します『RISE183』に参戦する那須川龍心選手のインタビューを執り行いましたのでお知らせします。
初のタイトル挑戦が迫る龍心が現在の心境を語ります。
–今日は可愛い髪型をされていますね。
龍心 まじですか。ちょっと短くしたらオン眉みたいになっちゃいましたね。
–試合のために短くしたんですか?
龍心 そうですね。少しでも判定に影響がないように(笑)。
–短い方が判定には好影響ですか?
龍心 どうですかね。分からないですけど勝つために短くしました。
–最近のSNSを見ていると毎日を楽しく過ごしているみたいですね。
龍心 本当に楽しいですね。調子良い時と悪い時の波があるので、それがあるから自分の中の正解を日々見つけていく感じがすごい楽しいです。
–調子が悪くてもポジティブになれるというのは、やっぱりタイトル挑戦というゴールがあるから前向きになれるんですか?
龍心 失敗して終わりというわけではないので、これをどう次の練習に活かして良くしていこうって感じでやっているので、その時調子が悪くても「明日はどうしよう」って感じなので、それがあるから楽しいです。
–そのポジティブシンキングはお兄ちゃん以上ですかね?
龍心 このポジティブは自分の中の考えの一つなので、兄以上かは分からないです。
–以前からそこまで強くポジティブに考えられていたわけではないですよね。
龍心 元からこういう感じですけどね。そこまで深く考えるタイプではないので、ずっとこんな感じですよ。
–そこは兄弟揃って精神的にファイター向きですね。
龍心 ありがとうございます。
–この間まで田丸辰選手とスパーリングをやっていたんですね。
龍心 昨日1回だけやりましたね。
–結構田丸選手の顔が腫れていましたね。
龍心 良いパンチが何発か入ったので、それで腫れたらしいです。
–田丸選手とのスパーリングはどうでしたか?
龍心 昔ちょっとやったことがあったくらいで、それ以外はそんなにやった事がなかったので、試合みたいな感覚で良い経験ができました。
–田丸選手とやることで自分の成長を実感できる部分もありましたか?
龍心 辰は5ラウンドの経験がすごいあるので、そこに対する意識とか気を付けるポイントとかも教えてもらって、楽しかったしすごく良い練習になりました。
–“5ラウンド”という言葉が出ましたが、今回はタイトルマッチなので5ラウンドまでもつれ込む事も想定しているわけですか?
龍心 そこまで倒しにいこうと思っているわけではないし、5ラウンドが初めてなので、想定しておかなければいけないと思っています。だけどタイミングが合えば倒しにいきますし、本当にタイミング次第ですね。5ラウンドを通して倒しにいきます。
–5ラウンドをフルに使うパターンや途中で倒しにいくパターンなど、色々なパターンを考えているんですね。
龍心 自分の中の良いパターンとこうなったら悪いパターンになるなとか、そういうパターンは用意しているというか、イメージはしていますね。
–SNSでお兄さん(天心)とのスパーリングもアップされていましたけれど、お兄さんとのスパーリングでも成長を実感する事はできましたか?
龍心 スパーリングというよりはマスでしたけど、要所要所で「こうした方がいい」と教えてくれたので、そこのポイントを意識して今練習しています。
–以前、那須川天心選手に龍心選手の話を聞いた時に「覚えるのが早くて、飲み込みも早い」と言っていたのですが、それは自分でもそう思いますか?
龍心 覚えるのが早いというか、天心と僕は兄弟なので感覚がすごい似ているんですよ。だから言っている事が自分の中に入りやすくて、それが理解の早い要因なのかなって思います。
–お兄さんと似ている部分があるから、お兄さんの言葉が余計に自分の心に刺さるわけですね。
龍心 刺さるというか分かりやすいですよね。スッと入ってくる感じがします。
–今回タイトルを獲得する事ができたら「自分の見られ方も変わる」っていう発言をしていたと思います。これはタイトルを獲る事によって、“那須川天心の弟”からの卒業という意味合いもあるのでしょうか?
龍心 ぶっちゃけたことを言うと、獲ったとしてもそこは変わらないと思うんですよ。“那須川天心の弟”というのはずっと言われると思います。だけどタイトルを獲る事によって、自分の発言力や説得力が増して、発言したことに重みが出てくると思うんです。今後自分がRISEやキックボクシングをどうしていきたいっていう発言がしやすくなるので、タイトルを獲りたいです。
–トップランカーとチャンピオンだと発言力は違ってきますよね。
龍心 全然違いますし、ベルトを持っていればあまり舐められることもないと思いますし、そこの戦いなのかなと思いますね。
–ここ1年の那須川選手の活躍と記録を見たら、誰にも舐められないんじゃないですか?
龍心 全然言われますね。
–まだ言われるんですか?
龍心 比べられるのが天心なので、自分が結果を残しても天心も結果を残しているので、そこはずっと比べられて言われますよね。
–チャンピオンの数島選手がSNSで「龍心選手は優遇されている」っていう事を言っているじゃないですか。あれはぶっちゃけどういう風に捉えていますか?
龍心 なんで優遇されているのかを分かっていないんじゃないですかね?理解していないでその場の感情で喋っちゃっているんだろうなって感じですね。大人なのに(笑)。
–今の時代のファイターだったら、試合だけではなくてSNSを駆使したり、自分やその競技を拡散する努力をしなければいけないという事ですか?
龍心 そうですね。やっぱりそういう事もしていかないとRISEの認知度も上がらないと思いますし、キックボクシングの認知度も上がらないと思うんですよ。どこでいかに注目度を高めるか、求心力を高めるかっていうところが大事だと思うので。僕はそこをやってきた自負があるので、優遇されてるとかは言われたくないですね。
–あとは試合で評価してほしいという事ですね。
龍心 メディアばかりに出て、試合で負けているわけではないじゃないですか。結果は残してきていると思うので、「どっちも揃っているから良くない?」って思っちゃいます。でも今回ベルトを獲って一気にひっくり返ると思うので、楽しみですね。
–ちなみにRISEのチャンピオンベルトは、他の人のチャンピオンベルトを触ったりした事がありますか?
龍心 触ったことはないかもしれないですね。
–お兄さんのベルトも触ったり腰に巻いたりしたことはないですか?
龍心 触った事はあるかもしれないけど、腰に巻いた事はないですね。
–それは来るべき日のために取っておいたんですか?
龍心 いや、そこまで考えてなかったです(笑)。
–ベルトを獲ったら、ずっと腰に巻いておくとか枕元に置いておくとか、その日にどう扱おうかとか考えていますか?
龍心 どうしたらいいか分からないけど、獲った後に考えようかなと思います。
–ちなみに今回の試合について、那須川代表はどういう風に受け止めていますか?
龍心 「お前が今やっている、俺が今教えている動きが完璧にできれば圧倒できるよ」と言われました。
–その言葉通りだと思いますか?
龍心 そうですね。今やっている事がハマればすげえ圧倒できると思います。でも今回ギリギリで勝つのではなくて“圧倒する”というのが自分の中のテーマなので、圧倒して完膚なきまでにボコボコにしてぶっ倒してやろうと思います。
–ベルトを獲ったら18歳での戴冠になりますが、18歳というのは予定通りでしたか?
龍心 遅いなと思いますけど、そう思いつつここまでやって来たなっていう実感はあります。
–現時点でチャンピオンの数島選手よりも、自分が上回っている事をアピールできる点はどこになりますか?
龍心 スピードもそうですし、技術やテクニックという部分もそうですし。パワーは相手の方がKOで倒しているので、そういう所は相手の方が上回っているなと思いますけど、それ以外のスピードや技術は自分の方が上回っていると思うので、あとはメンタル勝負で気持ちで勝とうと思っています。
–最後にファンの皆さまへ熱いメッセージをお願いします。
龍心 今回しっかりベルトを獲って、自分がベルト巻いていた方がより良いベルトになると思うし、より良い団体になると思います。自分がベルトを獲って、キックボクシングとRISEの認知度を上げていきます。絶対にベルトを撮るので応援をよろしくお願いします。