【RISE188】中村拓己さん見どころコラム「安本晴翔VS國枝悠太は異例のタイトルマッチ、RISEの新たな景色につながる春の後楽園決戦」
インタビュー 2025年5月29日
「安本晴翔VS國枝悠太は異例のタイトルマッチ、RISEの新たな景色につながる春の後楽園決戦」
主に月1ペースで後楽園大会で開催されているRISEナンバーシリーズ。5.31「RISE188」は今年4大会目のナンバーシリーズとなるが、意外にもタイトルマッチがメインイベントに組まれるのは今年初。そのメインイベントは王者・安本晴翔と挑戦者・國枝悠太によるRISEフェザー級タイトルマッチだ。
安本は卓越したテクニックで10代の頃から活躍し、2022年からRISEに参戦。昨年10月に門口佳佑を下して第6代王座に就くと、今年1月の「RISE185」ではワンマッチで中国のワン・シンチャンを撃破し、今大会で初防衛戦を迎えた。
國枝は2021年1月から2023年3月までK-1・Krushに参戦。K-1・Krush時代は勝った試合がすべてKO勝ちというハードパンチャーで、いくつもスリリングな試合を見せてきた。RISE初参戦となった昨年9月のRISE横浜BUNTAI大会では元王者でランキング3位(当時)の梅井泰成と対戦。カウンターの左フックでダウンを奪って梅井を下すと、早くも王座挑戦のチャンスが巡ってきた。
ランキング制が用いられているRISEでは世界王座戦を除けば、熾烈な挑戦権争いを勝ち抜いた選手がベルトに挑むことが多い。2戦目の選手が王座に挑むことはほとんどなく、その点で安本VS國枝は異例のタイトルマッチと言える。
カード発表会見では安本が「僕は2年かけてベルトを獲ったので、國枝選手が2戦目でタイトルマッチは都合がいい話。意地でもベルトを守る」と話す一幕も。普段はクールで物静かな安本が感情的な言葉を口したのも國枝が挑戦者だからこそ。試合当日は安本の“上手さ”だけでなく“怖さ”が見られるはずだ。
もちろん國枝にとってもタイトルに挑戦することがゴールではない。これまでの実績から安本の圧倒的有利と見られる試合だが、國枝自身は「今の自分では95%負けると思うけれど、試合にその5%を持ってこれると思う」と番狂わせに燃える。RISE2戦目で安本からベルトを奪うようなことになれば、RISEの歴史に残るアップセットになる。
安本が王座を防衛するにせよ、國枝が王座を奪取するにせよ、安本と國枝にしかできないタイトルマッチになるだろう。
そして今大会からは第3代RISE QUEENアトム級王座決定トーナメントが開幕する。RISE女子アトム級は長らく宮﨑小雪が絶対王者として君臨していた階級で、宮﨑が海外留学のため王座を返上。シード2選手=平岡琴&「X」を含む全6選手によるトーナメントで新王座を決めることとなった。
1回戦の組み合わせは辻井和花VS岩永唯伽と奥村琉奈VS島田知佳。辻井は約1年ぶりのRISE参戦で、岩永は2023年10月にRISEでプロデビューしてキャリア2年目。奥村は様々な団体でキャリを積んだあと、2024年からRISEを主戦場に戦い、島田は2024年7月のRISEでのプロデビューから3戦3勝でトーナメントの一枠を勝ち取った。まさにRISE女子アトム級に新たな風を吹かせるメンバーが揃ったと言えるだろう。
来月21日(土)神奈川・横浜BUNTAI「OURO presents RISE WORLD SERIES 2025 YOKOHAMA」からRISE夏の6連戦=RISE SUMMER FIGHT SERIESがスタート。「RISE188」はRISEらしい“ガチ”さがありつつ、RISEの新たな景色も見えてくる春の後楽園決戦だ。