「花岡竜vs鈴木真彦が沸点間際のRISE軽量級に火を点ける!女子アトム級の中心は平岡琴か?島田知佳か?」=RISE194中村拓己さん見どころコラム

その他 2025年12月12日

来る2025年12月14日(日)東京・後楽園ホールにて開催される「crowdbasket presents RISE 194」につきまして、中村拓己さんの見所コラムを公開します。

2025年のRISEを締めくくる後楽園大会「crowdbasket presents RISE 194」が目前に迫ってきた。今大会は花岡竜vs鈴木真彦のスーパーファイトをメインイベントに据え、平岡琴vs島田知佳の第3代RISE QUEENアトム級王座決定戦など全10試合がラインナップされている。

 

この一年を振り返ると、中村寛の優勝で幕を閉じたRISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournamentと2年連続となるRISEとGLORYの協力による65kgの世界トーナメント=GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENTを軸にビッグマッチが開催されてきた。そのなかで2026年に向けて着々と熱を溜めてきたのが55kg以下の軽量級だ。

 

5月に大崎一貴が地元名古屋でRISE世界スーパーフライ級(53kg)王座を戴冠すると、6月には那須川龍心がISKA世界ストロー級(51.5kg)王座を獲得。8月にRISE世界バンタム級(55kg)王者の志朗が玖村将史へのリベンジを果たして世界王座を死守し、志朗との対戦を熱望する大崎孔稀は3戦3勝2KOで一年を終えた。

 

来年は志朗vs大崎孔稀のバンタム級頂上決戦が実現濃厚で、RISE伊藤隆代表は55kgの世界トーナメント開催のプランがあることも明言。RISEとタイのビッグプロモーションRWS(ラジャダムナン・ワールド・シリーズ)とのクロスプロモーションもスタートし(12月に大崎一貴がラジャ王座に挑戦)、来年は交流の活性化が予想される。まさに軽量級のファイターたちが一年間で溜めてきた熱が、2026年は一気に爆発することになるだろう。

 

これだけ軽量級が熱を帯びている一因は、選手たちが階級をまたいで戦っていることだ。龍心はISKA王座獲得を機にスーパーフライ級に階級転向し、フライ級の塚本望夢は一階級上に挑戦する形で花岡竜とOFGマッチで対戦した。棚澤大空はスーパーフライ級で「RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!!」を制してから、階級を下げてフライ級のベルトをかけた戦いに臨んでいる。選手は自分のベストウエイトで試合をすべきという考えもあるが、階級をまたぐ・変えることで階級そのものが活性化することもある。今のRISEはフライ級~バンタム級までの階級が“軽量級”という一つのカテゴリーとして盛り上がりを見せていると言えるだろう。

 

今大会のメインイベント、花岡竜VS鈴木真彦はそんな今のRISE軽量級を象徴する一戦だ。花岡は昨年12月に第3代RISEスーパーフライ級王者となり、卓越したテクニックを駆使して目下5連勝中。スーパーフライ級のベルトを保持したまま、バンタム級への挑戦をぶちあげた。迎え撃つ鈴木は前RISEバンタム級王者で、RISEバンタム級を代表する一人。一時は勝ち星から遠ざかる時期もあったが、現在は2連勝と復調の兆しを見せている。スーパーフライ級で圧倒的な強さを見せている花岡とバンタム級で確固たる地位を築いた鈴木による、まさにスーパーファイト。花岡が勝利すれば一気に花岡がRISE軽量級の中心人物に躍り出る一戦であり、ここで鈴木が踏みとどまれば志朗vs大﨑孔稀の世界戦や世界トーナメントに食い込むきっかけになる。花岡VS鈴木は2025年を締めると同時に、2026年の行方を占う戦いだ。

 

また今大会ではスーパーフライ級2位・政所仁が酒寄珠璃を迎え撃つ一戦や麗也vsKING陸斗のフライ級ランカー対決も組まれており、2026年に向けて沸点間際の軽量級の導火線に火を点ける大会になる。

 

1年の総決算と今後の流れを決めるという意味では平岡琴vs島田知佳の第3代RISE QUEENアトム級王座決定戦にも注目だ。初挑戦から約5年10カ月、同門の宮崎小雪の王座返上により、ようやくベルトを巻くチャンスが巡ってきた平岡と、デビューから無敗の快進撃を続けて6戦目で王座戦までたどり着いた島田。女子アトム級の新王者を決める一戦は対照的な立場の2人によるカードで、今後の女子戦線をベテラン平岡がけん引するか、それとも島田が新しい風を吹かせるかというテーマが見えてくる。

 

また安本晴翔と宇佐美秀メイソン、チャンピオンが頭一つ抜けているフェザー級とウェルター級では寺山遼冴vs指田烈・MOMOTAROvs門脇碧泉(ともにフェザー級)、チャッピー吉沼vsKENTA(ウェルター級)とRISEらしいサバイバルマッチが組まれた。

今大会は年内最後のプロイベントだが、2026年のスタートは約1カ月後の1.18「RISE 195」、その2カ月後にはRISE年間最大のビッグマッチ「RISE ELDORADO 2026」が控えている。2025年も駆け抜けたRISEは、ここから更に加速していく。

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