数島大陸「僕は僕なりに意地でも負けられないプライドがあるし、RISEの思い通りにはしたくない」

インタビュー 2025年10月29日

来る2025年11月2日(日)東京・両国国技館にて開催されます『RISE WORLD SERIES 2025 FINAL』につきまして出場選手のインタビューを執り行いましたのでお知らせします。

数島大陸インタビュー

–皆さんが数島選手のSNSに期待している中、最近おとなしい気がしますが気のせいですかね。

数島 いや、それにはちょっと訳があって、最近SNSを頑張りすぎて“ネタ枠”になってきているので、ネタ枠でも良いんですけど、前回負けているし今回の相手も無敗の強い相手だから、ここは調子に乗る前にしっかりまず勝たないといけないと思っているんです。だからSNSもあまり見ないようにしていて、いつも試合に集中していない訳ではないんですけど、より試合のことだけを考えて今回は挑もうかなと思ったので、何も投稿していないっていう状況なんです。

 

–それだけ集中しているという事ですね。この試合は絶対に負けられないという思いが強そうですね。

数島 ここで勝って次のタイトルマッチも勝たないと、スタートラインには立てないと思っているので、この2連戦はすごく大事かなと思っています。

 

–楽しみにしてくれているファンの皆様には申し訳ないけど、試合に集中して臨みたいわけですね。

数島 ちょっとだけ我慢してください笑。

 

–前回は5月に政所仁選手と対戦をしましたが、改めてあの試合を振り返ってみていかがですか?

数島 自分がやられたっていう感覚があまりなくて、どちらかというと1階級上のトップランカーに“自分はこれだけできるんだ”っていう自信にもなったし、負けは負けで悔しいですけど、意味のある負けというか次に繋がる負けだったかなと思います。

 

–負けても得るものが多い試合だった!?

数島 「失ったものより負けて得るものの方が多い」ってよく皆んな言いますけど、本当にその通りだなって感じですね。

 

–試合を振り返った時に、「あの時どうしていたら」とか「こうしてればよかった」と思う部分はありましたか?

数島 自分のダメなところも明確に分かったし、逆にここは上の階級でも通用するんだなっていうのが分かったし。4試合をした分くらいの経験値を得られたかなと思います。

 

–逆に5月までの数島大陸にとっての課題点はどういう部分だったんですか?

数島 言葉にするのが難しいですけど、自分の試合までの取り組み方であったりとか、試合の時の気持ちの持っていき方とか。自分自身がもっと色んな試行錯誤をしている中で、ここはしっかりこの考えだったらすごく良かったなとか、こういう考えを持っておけばもっと試合の時に自分の力を発揮できるなとか、そういう部分ですね。

 

–側から見た数島選手の印象としては、特にメンタル面が弱いと感じたことがなかったのですが、意外とそういう課題も表に出ていない部分ではあったんですね。

数島 やっぱり表に出ないようにはしているし、人前ではなるべく強い姿しか見せないでおこうと常日頃思っているので、1人になった時とか練習の時に考え込みすぎちゃうっていう。良いことでもあり悪いところでもあるかなっていう部分がありました。

 

–意外な一面ですね。

数島 そうなんですかね笑。

 

–その時に泣いてはいないですか?

数島 泣きそうになるけど泣いてはいないです笑。

–“神の左”のような、まだまだ出せていない新たな必殺技の引き出しはありますか?

数島 “神の左”が皆んなにバレて当たらなくなってきたので、“悪の右”を今磨いているんですけど。練習では結構出しているんですけど、試合で出なかったら意味がないので、もうちょっと時間がかかりそうかなっていう感じです笑。

 

–約1年前にフライ級のタイトルを失ってしまいましたが、また巡り巡ってタイトルを獲得するチャンスがきました。今回のこの『フライ級王座決定トーナメント』についてはどのように捉えていますか?

数島 正直ランキングを見てもらうと、上と下で実力差が離れているなと思っていて。僕は今年の2月に松本選手と2回目の対戦をして勝ったし、あとは塚本選手を倒せば、フライ級の今のランキングの中だったら1番強いっていうのは証明できるかなと思っていました。だけど僕もチャンピオンだったけど奪られた側だし、いきなりタイトルマッチができるとは思ってはいなかったので、その中で対戦相手の棚澤選手が“ニュースター”って感じで一気に上がってきているし、ちょうど良いタイミングでトーナメントという形で行われたんじゃないかなと思います。

 

–その対戦する棚澤選手についてはどのような印象がありますか?

数島 僕も22歳なんですけど皆んな若いなっていうのが1つと、10代の何も知らない怖さという部分があるなと思います。

 

–前回もトーナメントを制していて、すごく勢いのある選手ですよね。

数島 勢いがある時って何故か誰にでも“持っていく力”っていうのがありますよね。

 

–数島選手が「RISEでも推されている選手」という風に仰っていましたけど、その部分でも負けられないなという思いはありますか?

数島 そこの方が負けられないですよね。「RISEの思い通りにはいかしたくない」っていう自分がいるので笑。実際、フライ級ができた時から何やかんやありがたい事に毎年タイトルマッチには絡んできていて、「もうそろそろ数島はいいやろ」ってRISEに思われてはいると思うんですけど、今回も僕が入ってきているので。新しい選手がどんどん入ってくる方が団体的には面白いと思うんですけど、僕は僕なりに意地でも負けられないプライドがあるので、対戦相手にも負けられないですし、RISEにもここで思い通りにいかせたくないっていう自分がいますね。

 

–どんな試合展開になると予想していますか?

数島 やっぱり勢いがあるし、那須川龍心選手と同じジムなので1ラウンド目からガツガツくると思うんですよ。そこで僕がしっかり対応できるか、それか1ラウンド目から相手のペースに飲まれるかっていう勝負だと思っています。

 

–那須川龍心選手と同門という事で意識する部分はありますか?

数島 僕と戦った感じをそのまま棚澤選手に伝えていると思うので、どういう感じだったかっていうのもある程度やってる人にしか分からない部分があるので、そこはしっかり相手側も対策を練ってくると思うし、逆に自分も前と一緒の感じでいくと相手の思うツボだと思っているので、自分自身も動きを変えていかないといけないなと思っています。

 

–この棚澤選手との試合やトーナメントをクリアした後に、那須川選手にリベンジしたい気持ちもありますか?

数島 負けた相手には絶対にやり返したいっていう気持ちは常にあるし、ここをしっかりクリアして次のタイトルマッチでベルトを獲れば、もう1回自分の発言権は得られるかなと思うので、そのためにも今回の試合で勝たなければ話にならないので負けられないですね。

 

–反対側のブロックでは、松本天志選手と塚本望夢選手が対戦しますけど、どちらが勝ち上がってくるか予想はしていますか?

数島 どっちでも良いんですけど、判定で最後に松本選手が押し勝つんじゃないかなと思います。

 

–どちらとも対戦経験があって、両選手と再び戦うとなったら塚本選手とは2度目で、松本選手とは3度目になりますが、経験しているという部分ではやりやすさはありますか?

数島 別にやりやすいとかやりにくいとかはないですけど、ファン的には松本選手と3回目をやるよりも塚本選手とやった方がカード的に盛り上がるんじゃないかなって客観的には思っています。勝利予想は松本選手ですけど、塚本選手が勝ち上がってきてくれたら、僕も最後にフライ級の中でやらないといけない相手だと思うので、ちょっと期待しています。

–今回の棚澤選手とは初めてですが、フライ級の選手とは一通り対戦していると思います。その中で今回のタイトルを獲ってやり切った上で、今後は階級を上げていくイメージですか?それとも“この階級は数島大陸なんだ”っていうのを見せつけていきたいですか?

数島 獲ってみないと分からない部分もあるんですけど、格闘技をやっている上で強い奴にはどんどん挑戦していきたいので、それが例えばフライ級の中で強い選手がめちゃめちゃ現れてきたら1人ずつ倒していきたいっていう気持ちもあるし、上の階級の方が盛り上がっているなら上の階級に行きたいなと思うし。そこは状況によって変わるかなって感じですね。

 

–例えば近い階級で言うと53kgや55kgがありますが、いずれ手を合わせてみたい選手とかはいますか?

数島 53kgの花岡選手とか、大﨑一貴選手とかと戦ってみたいですね。僕のレベルがまだまだなんですけど、勝ち上がっていったらチャンピオンとか強い人とはやっていきたいです。

 

–ズバリ今回の棚澤選手との対戦に向けて、自分に課しているテーマなどはありますか?

数島 『泥臭くても勝ち切る』それは試合に対してもそうですし、自分の練習の追い込みにしてもそうだし、何にしてもしっかり勝ち切るというのがテーマですね。

 

–まだまだ今週いっぱいまではきつい追い込みの時期ですか?

数島 今週と来週の月曜と火曜日ぐらいがラストですね。

 

–計量の2,3日前ぐらいまでは動いているような感じなんですか?

数島 そうですね。今から追い込むのは1,2回くらいなんですけど、あとは調整と確認ををひたすら繰り返します。

 

–コンディション的にはバッチリそうですね。

数島 早く試合がしたいくらいです。練習の方が辛いから早く終わってほしいなと思っています笑。

 

–最後にいつも応援してくれているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

数島 今回は東京にも関わらず応援に来てくれる皆さまありがとうございます。ここをしっかり勝たないと先がないので、泥臭くても勝ち切って、この試合に全てかけて頑張るので応援と期待をお願いします。キックボクサーは泣かないぜ!

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