世界への扉を開け!「下馬評を覆す」(YURA)&「面白くて熱い試合をする」(メイソン)【RISE WORLD SERIES 2025 FINAL】特別企画<4>

インタビュー 2025年10月29日

2025年11月2日(日)にて東京・両国国技館開催されます『RISE WORLD SERIES 2025 FINAL』特別企画として、出場選手の合宿や出稽古の様子をレポートいたします。第四弾はYURA&宇佐美秀メイソン選手です。

 

YURAとチャド・コリンズの一戦は今回のGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 2回戦の最注目カードと言っていいだろう。

YURAはBreakingDownとRISEを股にかけて戦う異色のファイター。Breakingdownでは初代フェザー級王者として戦う一方、プロのリングでも17戦16勝(8KO)1敗の成績を残す本格派で、トーナメント一回戦ではコン・デシャンに圧巻のKO勝利を収めて勝ち上がった。

 

対するチャドは現RISE世界スーパーライト級王者で、GLORY世界フェザー級王者にして昨年のGLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX制覇を成し遂げたペットパノムルンにも勝っている世界のトップ中のトップ。8月のRISE世界スーパーライト級タイトルマッチでは原口健飛を判定で下し、現役のRISE世界王者としてトーナメント参戦を果たす。

 

Breakingdown王者で、勝率94%を誇るYURAとは言え、プロでの王座戴冠歴はなし。逆にチャドはRISE世界王座を含め、3つの世界タイトルを獲得してきた王者で、下馬評ではチャドが圧倒的有利の一戦だ。

 

大番狂わせを起こすべくYURAが訪れたのは武尊や野杁正明らを擁するバシレウスジム。普段は宮崎で練習しているYURAは試合の度に九州以外のさまざまなジムを周り、今回はバシレウスでの武者修行を行った。

これまでに何度もバシレウスに足を運んでいるYURAだが、今回の目的は宇佐美秀メイソンとスパーリングすること。宇佐美もYURAと同じRISE両国大会に出場し、RIZIN韓国大会で引き分けに終わったジョ・サンへとの対戦を控えており、お互いにタイミングが合った形で2人のスパーリングが実現した。

 

同時期にONEでの試合を控える武尊や野杁らが見守る中で行われたスパーリングは一言で言うと“バチバチのガチスパーリング”だ。両者は1Rから実戦さながらの強度で真っ向から打ち合い、互いのパンチやヒザ蹴りが激しく交錯する。

 

通常、ジム内でスパーリングをしていてどちらかが壁に詰まったりするとブレイクするものだが、バシレウスでは周りがストップするまでスパーリングを続行するため、一瞬も気を抜けないスパーリングが続く。

そして最終3Rに入るとメイソンが「視界が狭くなるから」という理由でヘッドギアを外し、YURAもそれに呼応。3Rはお互いヘッドギアなしで打ち合いを繰り広げ、ジムにいた選手たちが全員手を止めて2人を見入るほど、スパーリングは熱を帯びたものとなった。スパーリングを終えた2人にそれぞれ話を聞いた。

「今まで軽くマススパーをやることはあったんですけど、いわゆるガチスパーは今回が初めてだったんですよ。やっぱりメイソン選手は強かったですね。ジャブはいい感じに当てられたんですけど、それ以外の部分では修正するところが多かったです。今日のスパーリングでも次の試合に活かせそうなものがたくさんありました。

 

(バシレウスに来る理由は?)今回はスケジュールが合わなかったんですが、バシレウスには与座(優貴)さんや近い階級で強い選手がいるので、その選手たちと練習するのが目的です。(バシレウスで得られるものは)気持ちと試合に近い感覚ですね。今日のスパーリングを見てもらっても分かる通り、ここではいわゆるガチスパーをやっていて、試合感覚で最後まで気を抜かずにやることが出来ました。この感覚は普段の練習では手に入らないものですね」(YURA)

 

「YURA選手がパンチが強いのは知っていましたけど、ちゃんと肌を合わせて(トータル的に)強いんやなと思いました。僕がウェルター級(67.5kg)、YURA選手がスーパーライト級(65kg)で、YURA選手に階級を上げてもいけるなと思われるのが嫌だったんで、それでちょっと自分的には熱くなりすぎちゃいましたね。

 

最近は冷静さを保てるように、自分のペースで試合を運ぶことを意識して練習しているんですよ。自分は冷静になれないことが多くて、實方拓海戦は冷静に力まずにパンチを打てたんですよね。どうしても強いパンチだけになると倒せないし、自分も疲れてしまう。今日も(野杁)正明さんに強弱つけろと言われて、そこは自分でも改善したいと思います」(メイソン)

YURAにとってチャドは間違いなく過去最強の対戦相手だ。「チャド選手はスタミナも凄いし、体の当たりも強い。あのペースに飲み込まれないようにしたいです。僕が勝つとしたらドロドロした試合じゃなくて、倒すような試合になると思います。パンチのスピードは絶対に勝っていると思うので、そこには自信を持って戦いたい」と自分の武器=スピード&一発の破壊力をぶつけて正面突破する青写真を描く。

 

試合中の堂々たる戦いぶりとは打って変わって「試合前はいつも自信がない」というYURA。それを打ち消すのは周りの応援や勝った時の賞賛の声だという。またBreakingDownでのキャリアもYURAにとっては力に変わっている。

 

「試合はいつも自信がないんですけど、僕は応援してもらうことが嬉しくて、声援や勝った後の反応がものすごく力になります。(BreakingDownでの試合も力になる?)BreakingDownに出たことで僕の試合を見てくれる人が増えたのは事実だし、そこからRISEに出られるようにもなりました。僕はBreakingDownに感謝しかないし、BreakingDown出身の選手と言われることは嫌ではないです。BreakingDownからRISEに出て、そこで結果を出して評価が上がることはうれしいです」(YURA)

 

仮にチャドをクリアしても、YURAにとってトーナメントが厳しい戦いになることは承知の上。「いきなり世界チャンピオンかと思いましたけど、勝てば大きいですし、こういう試合を組んでもらえて光栄な試合です。普通はこんなトーナメントには出られないと思うし、せっかくもらったチャンスだからこそ絶対にモノにしたい。みなさんの下馬評を覆す面白い試合にしたいです」と番狂わせを誓った。

そして3月にジェラルド・ヴィーラーデにKO勝ちして以来のRISE参戦となるメイソン。ヴィーラーデ戦ではインロー・ミドル・三日月蹴り・ハイと蹴りを散らした上でのKO勝利で、パンチと蹴りをバランスよく混ぜるスタイルはバシレウスでの練習で取り組んでいるもの。今回再戦するジョ・サンヘにはダウンを奪われてドローという結果に終わっているが「あれは僕の失敗。ダウン以外は僕が勝っていたと思うし、今回は自信を持って倒しに行こうと思う」と不安要素は一切ない。

 

今大会はYURAが出場するトーナメントの他にも中村寛vsエン・ペンジェーのRISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 決勝など、RISEの2025年最後のビッグマッチに相応しい豪華カードが並んだ。メイソンは「前回のサンヘ戦も面白かったと言われたんですけど、もっと面白くて熱い試合をします。他の試合に負けないくらい盛り上がる試合になるんで期待していてください」と断言した。

 

YURAとメイソン、今後のRISEを背負う男たちが両国から世界への扉を開く!

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