原口健飛インタビュー「チャドは用意スタートで走ってくる選手なので、それに対して正面からぶつかって世界最高峰のど突き合いで試合をする」 【ABEMA presents RISE WS 2025 TOKYO】
インタビュー 2025年7月28日
2025年8月2日(土)東京・大田区総合体育館にて開催されます『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2025 TOKYO』につきまして参戦選手のインタビューを執り行いましたのでお知らせします。
□原口健飛インタビュー「チャドは用意スタートで走ってくる選手なので、それに対しては正面からぶつかって世界最高峰のど突き合いで試合をする。」
–決戦まで2週間となりましたが、今のコンディション的にはどんな感じですか?
原口 コンディションはいいと思うんですけど、いつもよりスパーリングも多めにしていますし、身体的にはきついなって感じですね。でもそれが“試合前だな”って感じがして良い感じです。
–スパーリングを多めにしているというのはどんな理由があるんですか?
原口 相手がチャドなので、絶対しんどくなるだろうなと思うし、もちろん倒す気でいるけど5ラウンドや延長まで行ってもいいようにするには人と殴り合うのが1番良いからですね。稲井君とか加藤虎於奈選手とか、自分よりも15kgくらい重たい選手とずっとスパーリングしているので、あとは本番になってみないと分からないですけど、あくまでチャド対策ということでやっています。
–今も言葉に出ましたけど、チャド対策っていうのは現時点でどのようなことをしているんですか?
原口 動きに対してどうこうっていうのはあまりなくて、チャドも凄いファイターだからその時その時で変えてくると思うんですけど、圧力はすごいあると思うからその対応ができるように、さっきも言ったけど大きい人とひたすらスパーリングするっていうのが唯一の対策かなと思います。
–原口選手のキャリアの中で、今回のチャド戦というのは大きなターニングポイントになると思うのですが、このマッチメイク自体をどのように捉えていますか?
原口 僕は5年くらい前からチャドと1回決まっているので運命かなと思うけど、初代世界スーパーライト級王者を決める時にペッチと争って取れなくて。そのペッチに唯一勝ってくれたのがチャドなので、それも何かすごく縁がありますよね。ミゲールにも負けてますけど、ミゲールを超えて最終的にはペッチが目標なので、ペッチにたどり着くためにはペッチに勝っているチャドに勝たないと目標に辿り着かないので。だからターニングポイントではないけど、“世界チャンピオンになる”っていう事よりも“チャドに勝つ”っていう事自体が僕にとってすごく価値があるので、あまりベルトのことは考えずに、とにかくチャド・コリンズを乗り越えるという感じで今はやっています。
–でしたらチャド・コリンズを越えるというのが今回の1番の目的であって、チャンピオンベルトはその次という感じですか?
原口 やっぱりチャンピオンベルトってすごく価値があるし、誰が持っているかでその価値が決まってくると思うので、初代がペッチ、2代目がチャド、3代目が原口健飛になれば自ずと世界最強に並べるし、そんなベルトを取りたいなと思っているだけなので、価値を高めてくれたペッチとチャドには感謝しているし、だからこそ越えたいなと思います。
–今回タイトルマッチという事で、3分5ラウンド無制限延長ラウンドになりますけど、延長になる事も想定した上で調整しているという事ですか?
原口 延長は1%はあるかもしれないけど、僕は倒す気でいます。倒さないときついし、全然倒せるっていう気持ちもあるので、どんな展開になっても良いようにとにかく練習をしておこうかなって感じですね。
–倒せるシミュレーションはかなりしているんですか?
原口 結構ありますね。やっぱりチャドも凄いファイターだけど、荒さもあるのでその荒さを突いていこうと思っています。
–体がまた大きくなりましたか?
原口 だいぶ大きくなりましたね。ペッチは意外に待ってくれるし首相撲が唯一強い選手なんですけど、チャドは用意スタートで走ってくる選手なので、それに対しては正面からぶつからないと。3分1ラウンドとかだったら逃げ切れると思うんですけど、3分5ラウンドは絶対に逃げ切れないと分かっているので、フィジカルを鍛えてパワーを付けています。スピードよりも今回はパワーを重視してやってきたので、それもチャドに勝つためにやってきたという感じですね。
–ちなみにそのパワーを表す数値みたいなのはありますか?
原口 数値笑?それは分からないですけど、僕はシンプルに筋トレが好きなのでこの期間は1番重量が上がりましたね。減量期でも増量期と同じ重量を上げれるので、それが数値じゃないけどそこが唯一自分が目に見える効果かなって感じです。
–どの種目でも構わないのですが、おっと驚くような重量はどれくらいになりますか?
原口 ベンチプレスで130kg手前までは今も上がります。あとはダンベルを片手で持つワンハンドローっていうのがあるんですけど、それは60kgくらいは片手で引けます。昔の体重をナチュラルでやっていた頃は35kgとかだったんですけど、倍近くまで増えてきているのでフィジカルの効果が出ているのかなと思います。
–先ほど仰っていたように、チャド選手は巻き込んでぐちゃぐちゃにしてくるじゃないですか。あの展開にはさせないとか、そういった事も考えていますか?
原口 逆にさせてやろうと思っています。それで逆に飲み返してやろうと思っています。日本人が全員負けているじゃないですか。直樹選手とか麻火君とか笠原君とかもそうだし。みんな足を使っている選手なので、足を使えば使うほどチャドは得意なんじゃないかなと思っているんですよね。それで今回“原口も足を使うだろう”とチャドに思われている部分があると思うんですけど、ほぼ打ち合いたいなと思っています。「あ、無理や」ってなったらやめますけど笑。
–1発の怖さというのはチャドに感じますか?
原口 1発の怖さはないですね。気持ちを折られて皆んな嫌倒れみたいな印象が強いから、1発で失神KOっていうのはチャドの試合で見た事がないんで、だからしんどくなるだろうなと思うんですよね。鬱陶しいなって攻撃をずっと打ってくるなって思いながら「うわ、もう無理やな。しんどいな。倒れよ」みたいな感じで倒れているイメージがあるので、1発の怖さはないけど連打の重さがあるのかなと思います。あとは手数はどこまであるのかは、やってみないと分からないので、それを対応できるようにやってきてます。
–我慢比べ的な試合になりそうですか?
原口 絶対そうなりますね。もしかしたら1発で倒しちゃうかもしれないですけど、逆もあると思うし。もしかしたらチャドが今まで打ってこなかった技があるかもしれないし。とにかく世界最高峰のど突き合いで試合ができたらなと思います。
–今回のチャド選手との1戦は、この後のGLORYとのトーナメントを控えている原口選手からしたら落とせない1戦になると思うのですが、今回の1戦で“これが勝負の鍵になるんじゃないか”っていう風に原口選手自身が考えている事はありますでしょうか?
原口 鍵はあまりないけど自分自身が想定している動きができれば100%勝てるので、チャドと向き合ってみないと分からないですけど、いかにフィジカルを活かせるかですね。短いパンチとかもめっちゃやっていて、練習では上手い事いってるんですけど、それが本番でできるかどうかは分からないから、それがハマれば1発で倒せると思います。
–先日Xで投稿していたものに、サッタリ選手との練習がありましたけど、どういうきっかけで練習されたんですか?
原口 サッタリ選手は加藤虎於奈君が仲良くて、ジムをオープンしたから遊びに来てほしいってずっと言われていたんですけど関西に住んでいるから中々行けなくて。毎週日曜日と月曜日に虎於奈君と練習させてもらっているので、どうせだったらサッタリの所に行くかってなって行かせてもらったのがきっかけですね。
–実際に練習してみたらどうでしたか?
原口 体重も85kgくらいしかないんですよ。虎於奈くんも85kgくらいあるんですけど、重たいというか外国人の質というか、マスでもキレが半端なかったですね。ガードの上からでも頭痛いみたいな。稲井君とかもそうなんですけど、日本人のパンチってガードすればなんとなく耐えられるには耐えれるんですけど、サッタリのは無理だなって思いましたね。ただ、俺も当てやすかったなっていうのはありますね。
–チャド選手とは全然違いますよね?
原口 全然違います。ただの目慣らしというか、チャドよりは1.5倍くらいデカいので、あくまでも目慣らしでやらせてもらいました。
–稲井選手とはいつ頃から練習されているんですか?
原口 稲井君は6月半ばくらいから、週に1回わざわざ日帰りで来てもらっています。スパーリングパートナーとして呼ばせてもらっているんですけど、自分と同じ階級の選手が関西にもあまりいないし、関東でも知り合いが少ないので、どうせだったら80kgくらいある選手はいないかなと思ったら稲井君がちょうどいたのでお願いしました。練習にはかなり付き合ってもらっていて、フルスイングでやっているので緊張感がえぐいですね。稲井君も80kgあるので当たれば吹っ飛ぶし、逆に僕のパンチでも効いてくれるので「めっちゃ効きました」とかいってくれるのですごい自信にもなるし、お互いが良い練習できているなと思います。
–JTTでは朝倉兄弟から今回の試合について激励の言葉などはもらいましたか?
原口 言ったと思うんですけど、打撃クラスが5月に終了しちゃってコーチは終わったんですよね。まあいたとしてもそんな人じゃないのでたぶんなかったですね。そんなの恐れ多いですよ笑。唯一GLORYの時にのぼりに未来選手も海君も書いてくれたのでそれは嬉しかったですけど、何回も何回もお願いできないですね笑。
–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
原口 今までRISEのベルトだったりGLORYのベルトだったり、挑戦する機会がいっぱいあったんですけど、中々獲得できなくて、対世界は唯一原口健飛だけがいけるんじゃないかと言われ続けてたけど、中々結果を残せなかったので、今回はまずチャド・コリンズを越えて世界チャンピオンになって目標であるミゲールやペッチにまた辿り着けるように頑張っていきます。今回の試合は思い切りど突き合うので、皆さん期待と応援をよろしくお願いします。