梅井泰成インタビュー 『純粋に格闘技を楽しんで、その中で圧倒できればいい』
インタビュー 2024年9月3日
9月8日(日)に行われる「RUF presents RISE WORLD SERIES2024 YOKOHAMA」に出場する梅井泰成選手のインタビューを執り行いました。
再びタイトル奪取へ動き出した梅井泰成選手が試合への心境や意気込みを語ります。
–既に顔がスッキリしていますが体重は絞れていますか?
梅井 やや落ちているくらいで、普段から絞れています。体重もあと5kgの減量くらいです。
–普段から絞れても良いと言うことはいつオファーが来ても良いように備えているということですか?
梅井 そういう理由もありますし、太っている時期がもったいないので日頃からより質の高い練習ができるようにする意味もあります。
–太っている時期がもったいないと思うようになったのはいつ頃からですか?
梅井 3年前ぐらいですね。
–何かきっかけがあったんですか?
梅井 元々TEPPEN GYMに所属していたんですけど、当時周りにいた那須川天心であったりとか、そういう選手を見た時に彼らは通常から良い質で練習していたんですよ。自分はその地位にも行けていないのに、オフで太っていて体のケアを怠っているのに上に行けるわけがないと思ってから、この時間はもったいないと思うようになって節制を始めました。
–外食も控えて自炊するようになったんですか?
梅井 そうですね。あとは食べるものを選んで調整するようにしています。
–今回の國枝戦ではどのようなテーマで試合をしますか?
梅井 前回も言ったんですけど、細かいことを考えすぎずに純粋に格闘技を楽しんで、その中で圧倒できればいいなというのがテーマです。
–先日は志朗選手などと蔵王へ合宿へ行ったと思うのですが、成果はありましたか?
梅井 大自然に囲まれて空気もよくて、その中で下半身のトレーニングやボクシングの技術面のトレーニングで良い収穫がありました。
–スキー場を走るというのはどうでしたか?
梅井 虫がヤバかったですね。蜂とかがいてそっちでも体力を持っていかれるという。蜂が怖かったのと草がいっぱい生えてて落とし穴みたいなところにはまったりして大変でした。
–落とし穴にはまったんですか?
梅井 溝みたいなのがあって、下りで結構はまりましたね。
–誰かがほったわけではないんですね(笑)?
梅井 掘っていたら相当悪いですよね(笑)。
–これからも合宿ではテーマを見つけて参加していきたいですか?
梅井 合宿で得られるものは、普段の練習と環境が変わったり新鮮さもあるので、入ってくるものであったり他競技の選手であったりと、普段練習しない方との練習で違う空気感があるので、良いものが得られるので参加したいです。
–今回の國枝選手との試合では戦略は立ててありますか?
梅井 だいたい自分の中で考えやプランはあるんですけど、そこに捉われすぎないようにしようと考えています。國枝選手もベテランで強敵なので、2ヶ月くらい前から決まっていて僕の対策もしてくると思いますし、そこに対しての対処もできるようにしておかないとダメなので、気を引き締めて練習しています。
–他の対戦カードもビッグマッチばかりで、その中で梅井選手の色を出すというのは大変なことだと思います。
梅井 かなり大変だと思います(苦笑)。僕がビッグマッチに出るのが2021年の大阪大会以来なんですよ。あの時KO勝ちして以来、KOで勝てていないんですよ。ビッグマッチで呼ばれる意味や求められているものは絶対あると思うので、その仕事をしっかりできるようにしたいです。
–國枝選手を見ていると、パンチの強打に自信があるように思うのですが、パンチの部分とテクニックに関してはどのように評価していますか?
梅井 拳が硬そうな感じのゴツゴツしたパンチを打っている印象ですね。あとは攻撃の軌道が読みづらい印象があるので、そこは気をつけないといけないと思っています。どちらかと言うと蹴りよりはパンチが上手くてボクシングテクニックがある印象です。
–「いくら強いパンチを持っていても当てられる技術がないと意味がない」とよく言いますけど、当てさせない自信はありますか?
梅井 ガチンコで打ち合ったら國枝選手の方がパワーはあるので、当てさせないようにするっていうのは僕の中でずっと考えています。相手には僕と対面して「面白くない」って思ってもらいたいですね。
–梅井選手は全国中学柔道大会出場で全国高校グレコローマン選手権にも出場していますが、今年やっていたパリオリンピックは興味を持って見ていましたか?
梅井 柔道は見れたり見れなかったりしたんですけど、レスリングは一通り見させていただきました。
–競技は違いますが刺激は受けましたか?
梅井 レスリングってアジアでも勝たないとダメで、そこで重い階級のグレコローマンとかフリースタイルって女子は元々強いんですけど、男子選手は中々勝てないんですよ。その中で金メダルがあんなに多いっていうのは痺れましたね。面識はなくてもすごく嬉しかったです。
–重い階級で金メダルを手にするのは相当大変なんですね。
梅井 外国人選手は体がえげつないので、その中でメダルラッシュだったのでびっくりしました。
–バックボーンが今に活きている部分はありますか?
梅井 最近ミックスの仕方がやっと分かってきて、純キックボクサーにならなくていいんだって。僕は組技もやってきたので、視野が広くなって近くなった押し合いの展開でも組技の技術が使えるというのが前回の試合でも少し出せました。
–押すような感じですか?
梅井 押すとか流すとかいなすとか。それは前回の試合から取り組んでいる瞑想で、落ち着いているからこそできていると思います。
–梅井選手の肩書を見て「MMAに行ったりしないのかな」って一瞬思うんですよね。
梅井 そう言っていた時期が実はあったんですよね(笑)。でも門口チャンピオンに負けてから「こんなので他競技に行っている場合じゃない」って思ってしまって、今はこのキックボクシングでもう1回チャンピオンになってもう1回RISEのベルトを巻きたいという想いがあるので、今は転向は考えていないです。
–今回の対戦相手は元K-1グループの選手なので、外敵を迎え撃つ門番的な立場が期待されていると思うのですが、そこについてはいかがでしょうか?
梅井 そこはあまり意識していなくて、國枝選手もグループを抜けてこれからRISEでやっていこうと思っているはずなんですよ。そのRISE1発目で僕を当てていただいたので、RISEの上位ランカーとしてレベルの高さを見せて勝たないといけないですね。
–先ほど門口選手の名前も出ましたが、タイトル挑戦に向けて今後のビジョンはどう考えていますか?
梅井 ビジョンは自分の中で一通りあるんですけど、門口チャンピオンに「今の梅井泰成とだったら試合をしたい」と思ってもらえるように、そこまで自分の価値を付けていきたいと思っています。
–そういった意味で今回の試合はどのような試合にしていきたいですか?
梅井 レベルの差と技術を見せて圧倒しないとダメですよね。内容は求められると思います。
–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
梅井 久々にRISEのWORLD SERIESに出していただくので、出させてもらう意味っていうのをしっかり理解しているので、その大会に相応しい試合をして勝ちます。会場でしか感じられない熱や感動など、もらえるものは絶対にあると思うので、まだチケットを買われていない方は是非会場で応援をお願いします。