山田洸誓『負けるかもしれないとかは1ミリも思ってない』

インタビュー 2022年12月19日

GLORYとの対抗戦RIVALSにて今回の引退試合でペットパノムルン・キャットムーカオと拳を交える山田洸誓が公開練習を行った。

–練習で型を披露していただきましたけどこれはやっぱり最後に空手家としてのマインドを披露したいという気持ちが強かったんですか?
山田 もちろんですね。その思いは強いですね。

–ラストマッチも空手家として挑むっていう気持ちですか?
山田 空手家としてもそうやしキックボクサー山田洸誓としてもそうやし、どちらでも良い動きが出来るようにって考えてます。

–心境の変化はありますか?
山田 いや、全然ないっすね。もう平常心でっていう感じです。

–いつも平常心なんですか? それとも試合が近づくと気持ちが上がっていくタイプなんですか?
山田 ホントに上がる時っていうのが試合の会場入ったぐらいの時かな。本当に直前ぐらいじゃないとあんまりグーッと上がりははしないですね。ただモチベーションはちょっとずつちょっとずつ「これも出来る、あれも出来る」みたいな対策を立てつつやってるんで、そこの違いはありますけどグーッと上がっていくっていうか緊張感とかはもうほんと直前ですね。

–今回ラストマッチということで特別な感情って芽生えて来てますか?
山田 それは多少なりともあったりとかもしつつ、でもそこをちょっと自分の中で押し殺しながらっていうのはあるんですけど。実際今日こういう風に公開練習とかインタビューを地元の自分とこのジムで正道会館KCIELで撮ってくれるっていうのも初めてなんすよね(笑)。最後やし、今回の一戦は特別な一戦だと思うんでそんなのもあって今回こういう風に皆さん足運んでくれて撮っていただいてるんで、こういうところからちょっとした違いってのは感じますけど。

–山田選手の中で対戦相手のペットパノムルン選手はどういう存在になってますか?
山田 強いのは当然のことながら、でも自分の中で最後の相手がペット選手なんで、特別な感情っていうか今までやってきた相手よりは当然強いんですけど、ただでもそんな特別な感情っていうのはないですね。今まで通りっていうのは自分の中でそこはブラさずっていう感じですね。

–そこで最終的な調整と戦略を大阪の正道会館総本部で練り上げるって感じになりますか?
山田 そういった形になりますし、後は対人練習がこっちの地元じゃ少ないんでそれの自分の調整も兼ねてっていう感じかな。後は湊谷先生とのお話もあまり出来てないんで向こう行ってちょっと詰めてどういう風な感じで行くかっていうのは大阪の方で話し合いはしたいと思ってます。

–湊谷トレーナーもタイ人の世界チャンピオンということで物凄く張り切ってるんじゃないですか?
山田 もう「やれるよ、絶対勝てるよ」っていうのは常々ずっと言っていただいてますし、自分もそのつもりで今回迎えるんで、負けるかもしれないとかは1ミリも思ってないですね。言葉ではちょっとおもしろおかしく言いますけど、でも心の奥底ではそんなこと1ミリも思ってないですね。

–すごく失礼な質問になるかもしれませんが、今の発言を受けてペットパノムルンに勝ったら現役続行っていうのはないんですか?
山田 ないです、それはないです。

–勝っても負けてもラストマッチということですね。
山田 そうです。男に二言はないんで。ブレてたら格好悪いでしょ。



–今回のラストマッチに関して地元の周りの方の反響はいかがですか?
山田 すごいですよ本当に、めちゃくちゃ反響すごいですね。THE MATCHぐらいからやっぱり見てくれる方が多くなったって前にも言ったように、それぐらいからやっぱり周りの見方っていうか、よりちょっと変わってきたなっていうのはありますね。あと最後がペッチ選手なんで、その点もありますね。

–今回THE MATCHで戦った安保瑠輝也選手からはアドバイスとか言葉ってあります?
山田 「こうしたらいいんじゃないすか?」みたいなアドバイスっていうか「僕だったらこうします」みたいな感じで言ってましたけど、この前もちょっと食事に行く機会があったんでちょっとお話しさせてもらって会場の方も来てくれるって言ってたんで、多分会場で次は会うのかな。

–じゃあその言葉は試合に活かせる感じですね?
山田 まぁそうですね、もうポジティブで自分はいきます。

–先ほどの最初の型なんですけど、正道会館の実戦の型っていうんでしたっけ?
山田 そうです。実戦型1っていうのが名前なんですよね。

–ペットパノムル選手なんですがファイターとしてどのような評価をしていますか?
山田 簡単な言葉になってしまうかもしれないですけど確実に今世界一ですね。今ナウで世界一だと思います。

–例えば原口選手の試合を見て技術的にどの辺が一番強いと思いますか?
山田 頑丈さタフさもありますしあと左のミドルキックが多分彼の強いポイントだと思うんですけど、左のミドルキックが届かない距離から届いてくる感じと、近距離になってもちょっと足をスライドさせながら後ろに下がりながら蹴ったりとか、ああいうちょっと細かい技術はすごいなっていう思いはありますね。

–原口選手が2回目の対戦の時は本当にあと一歩の接戦だったと思うんですが、山田選手からしてペットパノムルンは超えられない壁じゃないと感じたりはしましたか?
山田 結構それも例えで言われるんですけど「(原口)健飛くんはこうやったから山田はこういけるんちゃうか」みたいな、逆に無理やろみたいないろんな声があるんですけど、健飛くんは健飛くんやし、僕は僕なんで。だからそこはやってみないと分からないし、相性とかもありますしね。ペット選手と対峙してみないとそこは分かんないですね。

–ちょっと言い方悪いんですけど例えば原口選手と比べてvsペットパノムルンにおいて山田選手が有利だと自分で思う部分ってどこになりますか?
山田 根性。気持ち。そこしかないですね。

–ちなみにその根性ってどこで磨いたんですか?
山田 空手家なんで、小さい時から培ってきた物っていうのはあると思うんで、忍耐というか我慢強さというかそういった部分が今に活きてるかなと思いますね。


–押忍の精神ですね。
山田 押忍。

–特にvsムエタイってことで参考にしてる試合とかはないんですか?
山田 ないですね。自分を照らし合わせるって言うかいつも、その人だから出来ることと自分やから出来る事っていうのはあると思うんで、人それぞれですよね。やっぱ違うと思うんで。

–ちなみに最後の試合ということで、最後自分がどうなっていたいっていうのはありますか?
山田 笑顔で終わりたいですよね。自分が笑顔でいたいですね、間違いなく。

–vsムエタイの組みに対して正道会館の型の捌きを使って制圧する技術が役に立ったりとかはありますか?
山田 そうですね、捌きを使いながらペッチの顔面に膝をぶち込みたいですね。ジョークです(笑)。でもそういった技術というか捌きの技術とかも出来ればお見せしたいかなっていうのはありますけど。

–空手家として何かこれは見せておきたいっていう技とか勝ち方はありますか?
山田 前に前に出たいっていうのはありますよね。下がるんじゃなくて。技とかじゃないかもしれないけど、さっき言った根性に繋がるかもしれないですけど、前に行くっていうことはちょっと頑張ってやっていきたいかなっていうのはありますね。

–ラストマッチになるんですがどういった人たちに向けてどんな物を見せたい、残したい、伝えたいってところがあれば教えてください。
山田 さっきもちらっと言ったんですけどRISEの今のファイターの中で自分は年長者だと思うんですよね。だいぶ歳が上の方だと思うんですけど、なので本当に天才的な原口健飛くんだったり那須川天心くんだったりとか、今強いファイター、若手のファイターいっぱいいてるんですけど、そういう人たちに年上としての意地っていうかそこは見せたいですね。そこの思いはめちゃ強くありますね。

–これから残るファイターたちに対してですね。
山田 格闘家としてはめちゃくちゃリスペクトしてますし皆それぞれのカラーがあって、凄さもあって魅力的な部分はいっぱいあるんですけど、自分は自分のカラーがあって、でもその格闘技歴の部分というか年上としての意地を今回は見せたいなと思ってるんで。

–引退したら完全に指導に専念されるということですか?
山田 そうですね、指導者としてやっていきます。

 

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