白鳥大珠インタビュー『ただ勝つだけじゃなくて世界にアピールできる戦い方を目指したい』

インタビュー 2024年3月8日

3月17日(日)に開催される「ABEMA presents RISE ELDORADO 2024」にて、イ・ソンヒョン選手と対戦する白鳥大珠選手のインタビューをお届します。

 

 

–公開練習の動きを見ると仕上がっているように見えました。

白鳥 仕上がってはいるんですけど、毎回試合前の1週間で完璧に仕上がるのでまだまだ上がりますね。

 

–まだまだ上がるんですか。

白鳥 今の時期ってすごいキツい時期なんですけど、キツ過ぎて逆にハイになって動けちゃうって感じなので、最後の土曜日にいつもミットを持ってくれている人が、毎回良いと最後に言ってくれるのでまだ上がります。

 

–キックボクサーズハイというような感じですね。

白鳥 数年前はこの時期辛くて嫌だなっていう気持ちだったんですけど、ここ最近は逆にこの時期がすごく気持ちが良いなって感じてきました。

 

–最高の流れの中で28歳になりましたね。

白鳥 より頭を使えるようになって試合までの過程を自分の中で色々工夫したりとか、食事や過ごし方もそうだし、今28歳になって結構充実してきてまだまだいけるなっていう実感もありますね。

 

–まだまだ自分の伸び代を感じているという事ですね。

白鳥 まだいけますね。30歳になって衰えてくるという話も聞くんですけど、僕はそんな事はない気がしていて、あと5年くらいは成長し続けられるんじゃないかと思ってます。

 

–今回対戦するイ・ソンヒョン選手とはスーパーライト級で戦う事になりましたが、65kgのイ・ソンヒョンはどんなイメージですか?

白鳥 元々63kgでチャンピオンだったじゃないですか。そこから70kgに上げていったので、普段の体重は結構あると聞いたけど体重は落ちると思うんですよね。前回はウェルター級でやっていたのでコンディションはソンヒョン的にもベストだとは思うので、良いコンディションで来てほしいです。

 

–現時点ではどんな試合をイメージしていますか?

白鳥 上の階級で戦っていた相手なのでタフな試合になると思ってはいるんですけど、理想は前回のようにスパッと倒し切るような試合を心がけていきたいです。でもいろんな試合展開を予想していて、3ラウンド戦ってもしかしたら延長まで行くかもしれないし、僕の中ではキツ試合になるイメージをしています。

 

–今回の舞台はRISE ELDORADOですが、ELDORADOにはレギュラー参戦していますよね。

白鳥 もう4回目になりますね。

 

–ELDORADOでは何か思い出はありますか?

白鳥 RISEの年間最大のビッグマッチという事ですけど、その年のビッグマッチの初戦じゃないですか。特別な感情ではないですけど、自分の中で今年1発目をどういう形で飾れるかっていうのは1年の流れとしても重要な1戦です。初めてのELDORADOの時は負けてしまったので、そこから勝ってはいるけどKOがないので、ELDORADOでバチっときめたいです。

 

–今までのソンヒョン選手の試合を見てきて、サウスポーに対してはどのような印象がありますか?

白鳥 ここ最近はオーソドックスとの試合が多いですけど、カーフだったりパンチでボディを散らしてきたり、一気に詰めてくる時は上手いですよね。1回練習にソンヒョン選手が来たことがあって、マスでしたけど強いなという印象でした。ただ対サウスポーという事については僕があまり映像を見ていないので、結局自分がどう空間を支配できるかという戦いになると思っていて、超接近戦だったら相手の方が体も強いだろうし慣れているだろうから、その距離の戦いになるかと思っています。

 

–ちなみにソンヒョン選手が練習に来たのは何年くらい前ですか?

白鳥 たぶん3、4年くらい前ですね。ソンヒョン選手が腕を1回骨折していた時期があって、その治りかけくらいに来ていたと思います。昔からRISEのトップでやっていた選手なので、強敵と戦えることが今すごく楽しいです。だから前回のザカリア選手もそうですけど、昔からRISEで活躍している外国人選手だったので、今回もRISEでずっと活躍している外国人選手ということで、こういう試合を1個ずつクリアしていく中で自分の成長を感じられています。

 

 

–28歳を迎えたことでファイターとして思った事はありますか?

白鳥 28っていう数字を見ると自分も歳をとったなと思いましたが、まだ20代前半くらいの気持ちでいるので気持ち自体は変わらないですね。けど若い選手が増えてきて、自分がベテランという域に入ってきたのかと思うと、まだまだ負けたくないですね。自分の中ではあと5年くらいはやり切りたいので、まだこれからが全盛期だと思っています。

 

–自分が思い描いていた28歳の理想には到達されていますか?

白鳥 そこには到達していないですね。キックボクシングといえば那須川天心だったと思うんですけど、その天心が引退して今キックボクシングやRISEで誰ってなった時の1番は自分じゃないし、国内のキックボクシング界で誰だっていう名前をあげていった時に自分が出るような存在を思い描いていました。そこにまだ届いていないけど、まだまだ全然いけるし自分に期待しています。

 

–その意味では28歳のこの1年間はどこまでいきたいと考えていますか?

白鳥 今この階級だと世界の競合達が目立つので、年末にでかいトーナメントも発表されているので、確実にそこに出るためには今回も絶対に落とせないし、ただ勝つだけじゃなくて世界にアピールできる戦い方を目指したいです。そのトーナメントに出れたとして、どうせ負けるだろうっていう立場ではなくて、このトーナメントも優勝するんじゃないかという存在に年末までに辿り着きたいです。

 

–WORLD SERIESを制した時の白鳥大珠が復活っていう感じですね。

白鳥 あの時は期待感が結構あったと思うので、それ以上のものを自分でこの1年間をかけて作り上げていきたいです。去年は3試合しましたが、今年は4試合やりたいです。

 

–以前は近い距離での攻防に苦手意識があったかと思うのですが、最近のYA-MAN戦やザカリア戦では相手によって対処が変わってきている感じがします。その辺りに関してご自身ではどのように感じていますか?

白鳥 今でもゴンナパーの名前を言われるんですけど、あの様な試合はやっぱ見えてないんですよね。見えてないパンチに対して打ち返そうとしてもらっちゃって倒れるっていうのがあったので、自分の意識の中で変わっているのはよく相手を見るっていう事だけなんですよね。見えている、見えていないっていうだけで攻撃をもらってもダメージが違うので、自分の戦い方が最近になって分かってきました。こう戦えば相手は嫌だし入りづらいっていう戦いが前回とかはできていました。

 

–そもそも入られないところにいるのか、入られたとしてもですか?

白鳥 なるべく入らない、入らせないで自分が出るっていう距離をキープしたいですけど、どうしてもまだそこまでは行ききっていないので、ただしっかり相手のパンチや動きを見るという意識だけですね。

 

–それは練習の中で意識して取り組んでいますか?

白鳥 練習というかシャドーからですね。それを始めてから集中力が上がりました。

 

 

–ソンヒョン選手も前に出てきてパンチやローキックが得意なタイプですが、その相手に対する対処に自信はありますか?

白鳥 全然勝てると思っているので自信はあります。ただどれだけパワーがあるとか体の強さは、いざ対面してみないと分からない部分があります。ここ最近は相手がどうこうではなくて、自分とやる相手は大体入ってくる相手ばかりなので、自分の戦い方を突き詰めれば誰が相手でもやる事は変わらないです。だからこそ今回のソンヒョン選手はめちゃくちゃ強い相手ですけど、ここでつまずいていたら前回の勝ちも意味がないし着実に1つずつクリアしていって世界最強まで絶対いけると自分は思っています。だから誰が相手でもやる事は一緒ですね。

 

–勝ち方や見せ方が問われる部分もありますが、その意味では今回の試合内容にテーマはありますか?

白鳥 ソンヒョン選手は前回倒されて負けているんですけど、本来はタフであまり倒れているイメージがないので、無難に勝ちたくはないです。前回のザカリア選手との試合も絶対に負けたくないっていう気持ちが1番だったんですけど、やっぱりそれだけじゃだめで勝ち方で印象は全然違いますよね。勝つ事はもちろん大事だけど、無難にポイントを取って勝つだけだと記憶に残らないので、人の記憶に残るような試合展開を今後目指したいです。

 

–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。

白鳥 今年初戦ということで、タイトルマッチや対抗戦という豪華なカードが並ぶんですけど、今盛り上がってきているスーパーライト級が今年1年で1番盛り上がる階級なので、今年1発目にインパクトがある試合をするので、皆さん応援してください。よろしくお願いします。

 

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