中村拓己さんの見どころコラム① 志朗vs.田丸編

その他 2024年3月14日

3.17年間最大のビッグマッチを締めるRISEの王道。
軽量級最強、そしてRISEの主役は志朗か?それとも田丸辰か?

 

今年の”RISE年間最大のビッグマッチ”「ELDORADO」は“強者×強者=最強”のコンセプトのもと、年末に予定されているRISE&GLORYの65kgトーナメントへ向けた戦いや3度目となるRISE×K-1との対抗戦など、ビッグマッチらしい豪華カードがずらりと並んでる。そんなラインナップのなかで大トリ、メインイベントに組まれたのはRISE世界バンタム級(55kg)王者・志朗VS挑戦者・田丸辰のタイトルマッチだ。

 

志朗は昨年の「ELDORADO」でディーゼルレック・ウォーワンチャイを右ハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座を戴冠。RISE世界王者としてRISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメントにエントリーするも“1kgの壁”に苦しみ、クマンドーイ・ペッティンディーアカデミーに敗れて準決勝敗退に終わる。まさかの敗戦を喫した志朗だったが、再起戦となった昨年12月のブンロン・ペッティンディーアカデミー戦では“腕折りミドルキック”ブンロンと真っ向勝負し、最後は右のカウンター一発でマットに沈め、適正階級での強さを見せつけた。

 

 

一方の田丸は初代RISEフライ級(51.5kg)&スーパー・フライ級王者(53kg)として1月にクンスックノーイ・ブームデックシーン、3月に風音に勝利し、RISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメントに参戦。一回戦でペッシラー・ウォー・ウラチャーをKOすると、準決勝では優勝候補の一角・大﨑一貴を撃破。決勝ではクマンドーイからダウンを奪う勝利で、周囲の下馬評を覆す優勝を果たした。その功績と戦いぶりが評価され、RISEの年間表彰「RISE PRIZE」では2023年のMVPにも選出され、まさにRISEを代表する選手に急成長した1年だったと言えるだろう。

 

世界タイトルを保持する志朗と世界トーナメントを制した田丸。RISE最高峰のベルトをかけて、2人の最強が雌雄を決する。まさにRISEがこの一年で創ってきた“王道”の一戦であり、これほど年間最大のビッグマッチにふさわしい戦いはないだろう。

 

形としては王者・志朗が一階級下の挑戦者・田丸を迎え撃つ王座戦だが、勢いで言えば田丸の方が上。田丸自身も「一昨年だったら勝負論がない、志朗が勝つだろうと言われているカードだったと思う。でも去年1年で自分はひっくり返したと思っている。正直負ける気がしない」と自信に満ち溢れている。

 

 

対する志朗も「55kgで5Rは自分にとって得意なルールと体重なので負けは許されない」と断言。「会見で対面したときに勢いのままベルトは取れないということを見せないとダメだと思った。試合が何ラウンドで終わるか分からないけど、ハマれば大差がつく」と圧勝予告している。

 

またこの試合はRISEの世界王者を決めるだけでなく、RISEの主役が誰かを決める戦いでもある。「ELDORADO」に4年連続出場&2年連続メインイベンターを務める志朗だが、「THE MATCH 2022」での敗戦やRISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメントで優勝を逃すなど、ここぞという時に星を落としている印象は拭えない。堂々とRISEの中心に立ち、RISEを牽引する存在になるためには、本人が言うように圧倒的な勝利が必要だ。

 

それは田丸も同じだ。昨年の田丸はあくまでダークホース・挑む側として下馬評を覆すことで輝きを放ってきたが、これから田丸がRISEを引っ張っていくためには、ただ勝つだけでなく、周囲に田丸=RISEのエースだと納得させる勝ち方をしなければいけない。

 

 

冷静に相手を捌いて仕留める志朗とスピーディかつアグレッシブな田丸。ファイトスタイルも対照的な両者は、それぞれの言葉でこの一戦にかける想いを表現している。

 

「この試合は今のRISEで最高にハイレベルになると思いますし、メインを任されているので、そういう点でもRISEがトップだということを見せなければいけない。そして55kgの志朗は強いと思わせなければダメだと思っています」(志朗)

 

「仮に僕が勝っても『もう1回やったら分からない』と言われるような試合をしたら、RISEを引っ張る選手にはなれない。ここで志朗選手の時代を終わらせて、それを若者が引き継いで行かなきゃいけない」(田丸)

 

RISE伊藤隆代表は「RISEのタイトルマッチは3分5R無制限延長Rでドロー防衛がない。白黒はっきりつけるのがRISEですし、このルールは本当にハードでごまかしも効かない。“心技体”がすべて揃っていなければ勝てない戦いです」と2人のすべてが試される試合になると語っている。

 

最高峰の卓越した技術、3分5Rの長丁場を戦い抜く体、そして何より相手に勝ちたいという強い気持ち、そのすべてで相手を上回らなければ、RISEの頂点に立つことはできない。そんなRISEの王道、ど真ん中の戦いを見届けよう。

(文:中村拓己)

 

志朗選手のインタビューの模様はオフィシャルYouTubeチャンネルで配信中




田丸選手のインタビューの模様はオフィシャルYouTubeチャンネルで配信中

 

 

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